表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/92

吸血鬼の夜は遅い2

「セーフハウスじゃないじゃん!」

「だから僕セーフハウスじゃないって言いましたよ!」

いつもは見張り一匹しかいないはずのオークが集落の中央の広場に集まっている。

オークたちのフゴフゴと困惑する声に混じって、少年たちの言い争う声が聞こえる。

1人は鮮やかな赤髪の肌が黄色みを帯びた少年。革鎧にショートソードという初心者装備。

もう1人は青髪でローブ姿。眼鏡が顔の一部どころか大半を占めてしまってる少年。こちらは若干上等な装備のようで、ローブが淡く発光している。

大森林は殆ど人が踏み入らず、動物や魔物の天下と言っても過言ではない。ましてや夜中に駆け出し装備の少年が2人。

(遭難者か。保護するか。いや、2人とも強力な加護持ちぽいっし、もしかしたら…いやいやいや)

吸血鬼が樹上で逡巡している間にも少年たちはヒートアップしていく。

「お前ら勝手に俺のことこんなとこに連れてきて、魔王と戦う勇者だなんだ言ってさ、自分勝手すぎんだろ‼腹減ったよ!帰らせろよ‼」

「あなたはもう向こうの世界では死んでるんです!帰すのは無理です!」

「だったら生き返らせろよ!魔法でなんとでもできるんだろ!?」

「世界の法則が異なるんです。僕だってそうしたいけど無理なものは無理…おかあさまああ‼」

「うわあああん!‼」

オークたちはそれぞれに顔を見合わせ、フゴフゴと緊急会議を始めた。

襲って大丈夫?食べるには細すぎて少なそうだね、とでも言っているのか、次第に頭を抱えだすオークたち。

一際体の大きなオークが叫んだ。

「フゴォォォォ‼」

「「うるさい‼」」

青髪の少年は振り向きざまに魔法を放とうとするも不発。赤髪の少年は振り下ろそうとしたショートソードの刃を軽々とつままれてしまい、身動きが取れない。

「フゴ」

「やっぱ無理か…助けて…だれか…」

吸血鬼は一度放とうとしていた氷刃魔法をキャンセルし、氷刃の数はそのままにサイズを拳大まで上げた。

「当たるなよ、少年」

魔力を最大に込め、放った本人でも驚くような、目にも留まらぬ速さで氷刃がオークのリーダーと思しき個体に突き刺さる。

飛び散る血液に思わず喉が鳴る。

「まだまだ」

今度は飛び散った血液を更に魔力を込めて凍らせる。凍結は血液を通して次々と伝播し、やがてオークの体まで到達すると、容赦なくその体を凍らせる。ショートソードも凍り始め、少年が慌てて飛び退く。

氷漬けになったリーダーに混乱したオークたちは叫び声を上げながら各々の家へと駆け戻っていった。

青髪の少年はへたり込んだまま身動きが取れない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ