2-2、お兄ちゃんのお嫁さんになる?
2話から数日後のこと。
血縁なし。
うーん。うちの母はどこでわたくしを仕入れてきたのでしょうね? やっぱり仮の父は実父であったでいいんでしょうか。
こうなると縁談ではなく、貴族を詐称したということで投獄ですの?
できれば隠して、……なぜ、跪くんですの?
結婚してほしい?
お姉さま。この国では、女同士の結婚は認められません。では、海を渡って、え、そうじゃない?
お姉さまはお兄様でした? さわってもわかんないですけど、確かにお胸はなかったですわね。
ぬ、脱いだらわかるってっ! そうではありませんよっ!
侯爵夫人からも侯爵様からも聞いてません。
極秘だった。ああ、だから、お姉さまの侍女は二人だけ、しかも乳兄弟でしたのね。王位の争いに巻き込まれないようにしていた。血筋はよろしいですからね。
途中で王太子殿下にばれて護衛と虫よけに婚約しろと言われ仕方なく続行していた。
王位につくめどがついたので、やめてきた。
そうですの。
お役目、お疲れさまでした。
で、なんで、結婚。そこまで好かれてる気はしないのですけど。
お姉さまは病気で亡くなる設定で、そのあと男に戻ってから遠縁からの養子として侯爵家に戻る予定。結婚したほうが都合がいい?
誰と?
わたくしと!? どこの誰の子ともわからないわたくしと?
結果は公表しないから、侯爵家のご令嬢として結婚してくれればいいと。ふむ。では外に愛人を作って。
え、なんで、落ち込まれましたの?
君が好きだ?
……はい? それってなんですの?
ちょっとまってください。なんで、それで婚姻の了承したことになるんです。強引にもほどがあると思いませんこと!? ねえ、おねえさまぁっ!
趣味の悪さは変わらず、妹のコーディネートをずっとしてもらうことに。
「悪の首領みたいでしてよ……」