カラオケ屋から始まる恋ってどう?
私はカラオケ屋の店員である
今年で35になる…
最初は次の仕事が決まるまで…
そんな気持ちで働いていた
10年たった
彼女に振られた
腹が出てきた
周りが結婚したり子供が生まれたり
寂しい一人身と実感してきた今日この頃
「四捨五入したら40じゃん」
と一人で呟き今日もまたカラオケ屋で働く
つらい
だが別にカラオケ屋で働くのが嫌いというわけでは無い
なぜなら
カラオケ屋に来る客はだいたい笑顔だ
何歌おう
ワイワイしたい
彼氏彼女とイチャイチャしたい
そんな客が多いように思う
歌の上手い下手はあるだろうがそんなのはあ
まり気にしない
その場の空気が好きなんだ
ただ部屋の中を汚すのはやめてもらいたい
迷惑だし虚しくなるから
そんな事を一人考えてるとお客がきた
カップル
……くやしくないぞ?
大学生かな?最近毎週この時間によくくる常連さんだな
「店員さんいつもので!」
彼氏よ……居酒屋じゃないぞ?
彼女さんは申し訳なさそうに笑いながら
会釈する
…ええ子や
そして受付が終わり笑顔で見送る私
そんな毎日を過ごしながら
半年ほどたった
「今日はあのカップルが来る日だな、今日もいつものでって言うんだろな」
そんな事を楽しみにしているとちょうどいつもの時間
「いらっしゃいませー」
…
………?
彼氏が来ていない?
後から来るのだろうか
気のせいか彼女が暗い顔
「いつもので」
……彼女も言うんかい
彼氏の事は気になったが聞く訳にもいかず
お部屋にご案内
「一人か珍しいな」
そんな事を考えながら注文を受けたドリンクを運ぶ
関係ないけど店員来たら
歌うのを止める人いるよね…
……そんな事はどうでもいい
ちょっとまて
彼女……泣いてる…
失恋ソング歌いながら…
少し驚いていると、顔を隠したので
そっと私は部屋をでる
「別れたんかな」
何故か自分が落ち込みながら
今まで来店した時の2人の笑顔が蘇る
少し切なくなり
もうすぐ自分の勤務時間が終わるのに気づく
外は小雨…今の自分の気持ちにピッタリだ
そんな事を考え店をでる
「お疲れ様でした」
外に出てタバコを吸おうと喫煙所に向かう…
先客と目が合う
……彼女さんだ
驚いた……カップルが来だして彼女さんがタバコを吸っているのを見たことがないからだ
気まずいが一緒にタバコを吸っていると
「いつもの店員さんですよね?」
話しかけられると思わずびっくりしたが
返事をした……
声が裏返った
わざとらしく咳をはらい誤魔化してると
クスクス笑う彼女が
「今日は一人だったでしょ?別れたんです
他に好きな子ができたって言われて…急にですよ?好きになってもらいたくてタバコもやめたのに、バカみたいでしょ?」
と言ってきた……
やっぱりかぁーと思ったが笑っていた彼女の顔がだんだん暗くなり
いてもたってもいられず相談に乗ることにした…
彼女の笑顔が見たくて色んな話しをした
なるべくユーモアに自分の体験談なんか言ったりして
ちょっとたどたどしくなったが、なるべく暗くならないようにジョークを混ぜながらね、そしたら
笑ってくれた
嬉しかった……君に笑ったままでいて欲しい…
そう思った
雨が強くなり雷がなった話しが止まってしまい近くの駅まで送ることになった…その途中
「1時間だけ、カラオケ行きません?やっぱ聞いてくれる人がいなきゃ楽しくなくて消化不良なんです」
おじさん内心ドキドキです、でもすぐ行くって言いました!なぜかって?
どうするか迷ったが少し惹かれてる彼女さん
ともう少し一緒にいたかったから
カラオケ屋に着き他所のカラオケ屋は新鮮だね!なんて言いながら緊張して歌えるかな?そんな事を考えながら受付を済ませ部屋に入る
声裏返りませんでしたね(笑)
少しいじられながらも何とか歌えた
久しぶりに楽しいと感じながら、彼女と楽しい時間を過ごせた!
プルルルル
楽しい時間はすぐ過ぎる
我に帰り、彼女を再度、送ることになった
すぐに駅に着き
もうカラオケ屋にきてくれないだろうな
そんな事を考えてるともう会えないのは嫌だ
…そう思った
「今日はありがとうございました!楽しかったです!」
私は我慢できずに言った
「またカラオケ行きませんか!」
声は裏返ったがそんな事はどうでもいい
行くと言って欲しかった
………
…
「はい!喜んで!」
…………………
……………
………
…
…
…
おとーさーん!
おかーさーん!
早く早く!今日は幼稚園で習った歌歌うんだー
引っ張ったらまたコケるでしょ?
「いらっしゃいませーどのプランにしましょう」
「「「いつもので!」」」
終わり




