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第44話 軍備


「サダムネ、魔法具の開発は上手く行っているか?」

「あぁ、順調だ。まずこの特別な黒の杖ワンドを見てくれ。

 特別と言っても性能の違いは魔法石をより多くセットできることぐらいで、後は見た目の違いだけだが」

「良い感じだな。通常の黒の杖ワンドと違っていかにも強そうというか、物々しさが出ているじゃないか」

「強い魔法を使える杖をイメージしてみた」

「バッチリだ! これを18本頼むよ」

「それから、量産出来た魔法具は

 黒の杖ワンド×70本

 強化ベルトエンハンサー×240本」

「おぉ、思っていたより多いな。

 まだ量産を続けて欲しいんだが、良いか?」

「問題ない」

「素材はどうだ? 足りているか?」

「足りないどころか、アレを見てくれ・・・・・・」

 素材箱に目をやると、素材の山があった。

 かなりの素材を収納できる大きさの箱なんだが、それに入りきらないどころか何箱分あるのか分からない程の素材。

 ・・・・・・あー、あれだな。ジパングで魔物を倒しまくったおかげだな。

「は、はは・・・・・・ちょっと素材を集めすぎたかな。

 多すぎて困るだろうから、溢れている分は収納空間に入れておくよ」


「アトス、こんなものを作ってみたんだが」

 マサムネが持ってきたのは、一見何の変哲もない盾だ。

「盾、か。何か仕掛けがあるのか?」

「これは魔法の盾だ。正確にはマジグラミンをセットできる盾、だな」

「おぉ、ついに出来たか。これでマジグラミンの使い道が増えるな」

「今は軍備増強に繋げることを優先と聞いていたが、これなら使えるかと思ってな」

「そうだな。これなら対アヌグラ・マニュー団戦線の備えになりそうだ」

「マジグラミンはある程度数が揃っているから、後はこれをいくつか作っておこう」

「あぁ、頼む」


「サダムネ、鷹の目ホークアイを12個作ってくれないか。

 各国に2個ずつ配備しておきたいと思ってな」

「分かった。12個ならすぐに作れると思う」

「頼む。とりあえず今できている魔法具を持って各国を回ってくる。

 使い方の説明も必要だしな」

「その間に少しでも数を増やしておこう」

「あぁ、任せた」


 ──


「あれ? 誰も居ないな」

 俺はタンバサの王宮にある応接室に来た。

 だが、誰も居ない。

「これはこれはアトス殿。殿下、奥方様、お嬢様方は騎士団の詰め所におられます」

「分かった。ありがとう」

 そう言えば今は王家と騎士団は修行中だったな。


「アトス、何か動きがあったのか?」

 剣を納め、シャルロが近づいてくる。

「いや、まだアヌグラ・マニュー団に動きは無さそうだ。

 今日はこれを持って来たんだ」

 そう言って黒の杖ワンド強化ベルトエンハンサーを出す。

「これは黒の杖ワンドと言ってな。

 このボタンを押すと半径10m以内の魔物に弱点属性魔法を放つ魔法具だ。

 先の部分をこうして開けて、中に魔力供給用の魔法石を入れておく必要がある。

 魔力が尽きてしまうと当然だが魔法は発動しない」

「とんでもない道具アイテムだな。

 魔法使いの存在意義が揺らいでしまいかねないぞ」

「いや、そんなことはない。

 あくまでこれは補助用として考えてくれ。

 魔法石の魔力が尽きてしまうとただの杖だし、魔法使いの知識や経験があってこそ活きてくるはずだ」

「なるほど。で、その魔法はどれぐらいの威力なんだ?」

「恐らくAランクまでの魔物なら一撃で倒せると思う。

 ただし、魔物によっては魔法を無効化してくる可能性もある」

「過信は禁物という事だな」


「で、こっちは主に騎士用の魔法具だ。

 こうして腰に巻き付けておいて、戦闘時にこのボタンを押すと持続強化×2が発動する。

 こっちのボタンを押すと持続強化×3が発動する。

 どちらも効果時間は5分だ」

「2種類あるのは魔力消費の問題かしら?」

「あぁ。さすがはアイリンだな。

 3倍の方は、2倍の方と比べて4倍ほどの魔力を消費するんだ」

「そんなに違うのか」

「そうなんだ。持続強化は倍率を上げるほど指数関数的に消費魔力が増加するんだ」

「そうじゃないと、20倍や30倍の強化が簡単にできてしまうものね」

「そうだな。ちなみに20倍強化にすると消費魔力は20万近くになる」

「20万ですって? そんな魔法、使える者が存在するのかしら」

「おに・・・アトスは4人にかけても余裕だったよね♪」

 なぜかアイが自慢げに言う。

「よ、4人にかけても余裕? やっぱりとんでもないわね、あなた」

「さすがはアトスさんですね♪」

 サラはとても嬉しそうに、無邪気に笑いながら言う。

「サラったら、自分のことのように喜んでいるわね」

「お、お姉さま!? な、何を仰るのですか!」

「照れなくてもいいわよ。バレバレなんだから」

「・・・・・・もう!」

 サラはふくれてしまった。

 そんなところも可愛いな、とアトスは微笑ましく眺めていた。


「ところで、修行は順調なのか?」

「皆強くなったよ。四人ならランクS6の竜人ドラゴニュートには間違いなく勝てるね」

「へぇ、それはすごいな。皆、強くなってるんだな」

「ま、アイのおかげだね」

「そうね。アイが居なければここまで身の入った修行にはならなかったかも知れないわね」

 それぞれ手応えを感じられているようだ。


「騎士団の方はどうだ?」

「うーん、そうだね。ランクS5のドラゴンには何とか勝てると思う」

「へぇ、かなりレベルアップしてるじゃないか」

「第1騎士団はね、もしかしたらランクS6にも勝てるかも知れない。

 ジャンヌはシャルロに近い剣の実力があるからね」

「そう言えば、ジャンヌは初めて出会ったときから凄かったな」

「アトス殿、あまり褒め過ぎては困ります」

 ジャンヌが気恥ずかしそうにしている。

「本当のことだ。

 俺の結界を破壊されたのは初めてだったしな」

 そう言えば、魔物に結界を破壊されたのは海龍リヴァイアサンが初めてだったな。

 あれはランクS8だったはず。

 ということは、ジャンヌの剣戟はランクS8に匹敵するという事か?

『確かにジャンヌの剣は強いけど、それだけじゃなくて剣自体の性質によるところが大きいかな』

 アイが脳内に語り掛けてくる。

 (どういうことだ? )

『単純にジャンヌの剣はね、S7ぐらいの強さはあるかも知れない。

 それに加えてマサムネが作った剣が特別な力を宿していて、それのおかげで結界にダメージを与えていたってこと』

 (なるほど。ジャンヌの腕も、マサムネの剣もどちらもすごいってことか)

『そういう事だよ、お兄ちゃん♪』

 (取ってつけたようにお兄ちゃんって言わなくていいよ)

『嬉しいくせに』

 (・・・・・・)


「アトス、この黒の杖ワンドが2種類あるんだが、何か違いがあるのか?」

「あぁ、それを説明しておかないとな。

 いかにも強そうな方があるだろ? そっちは特別な魔法をセットしてあるんだ」

「特別な魔法?」

「【封殺超爆発プリズンド・エクスプロージョン】だ。覚えているか?」

「あの強力な魔法をセットしているのか!?」

「あぁ。それでランクS7の竜人ドラゴニュートを倒せることまでは確認している。

 ただし、魔力の消費が他の魔法よりは大きいから濫用はしないでくれ。

 一応、ランクS3以上の魔物にしか【封殺超爆発プリズンド・エクスプロージョン】は発動しないようにしてあるが、それ以下の魔物には普通の黒の杖ワンドと同じく弱点属性魔法を発動するから、魔力の消費にはくれぐれも気を付けてくれ」

「分かった。切り札として置いておくことにする」

「それから、もしS8の魔物に出くわしたら逃げることを最優先にしてくれ」

「分かった」


 ──


 タンバサの後、残る五国を回って魔法具の配備と説明をする。

 どの国にも余剰と思われるほどの魔法石を置いてきた。

 マサムネの提言で、各国に渡した魔法具はすべて貸し出しと言うことにし、目録を作成してある。

 対アヌグラ・マニュー団の戦いが終われば、全て回収しておいた方がいい、と言われるまで気づいていなかったが、確かに悪用されても困る。

 一応、各攻撃魔法は魔物にしか発動しないようにプログラムしてあるが、念には念をということだ。

 後はまた、魔法具の数がある程度揃ったら配布することとする。


 これで修行と魔法具による軍備がある程度は整った。

 あとは決戦の時までできる限り継続して軍備を増強するだけだ。


 アヌグラ・マニュー団、お前達に世界は渡さない。


次話は明日アップ予定。


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