表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/54

第33話 四聖獣vs王家

一部誤字を修正


「サラ、突然で済まないがシャルロは居るか?」

「アトス、何かあったの?」

「あぁ。ちょっと急ぎの要件があってな」

「すぐに呼んで来ますので、お待ちください」

 サラは使用人に言いつけるでもなく、自らの足で国王を呼びに行く。


 アトスは使用人が淹れてくれた紅茶をいただく。

 二口ほど飲んだところで、シャルロとアイリンがやって来た。

「アトス、急ぎの用と言うのはなんだい?」

「あぁ、実はな・・・・・・」

 アトスはアヌグラ・マニュー団の企みについて詳しく話す。

 世界を滅亡させようとしていること。

 カルトのような恐ろしい精神状態であること。

 強力な魔物を操っていること。

ドラゴンをも操っているのか。そやつらはかなりの力を持った集団ということだな」

「あぁ。個々の戦闘能力は低いが、魔物を操ることに長けているようだ」

「竜ぐらいなら、私とシャルロも何度か倒したことはあるわね」

 少し得意げにアイリンが言う。

 確かにシャルロの剣技とアイリンの魔法はアトスから見てもかなりのモノであった。

 竜を倒していてもなんら不思議ではない。

「竜を倒したとき、竜人に進化していたか?」

「竜人? なんだそれは」

「竜の身体とエネルギーが凝縮して人の姿になるんだ。その姿になると強さがグンと増す」

「いや、それは見たことがない。竜が進化してさらに強くなる、か。とんでもないことな」

「その竜人とやらを、アトスは倒せたってことかしら?」

「あぁ。普通の魔法では倒すのにかなりの魔力を要する感じだったから、新しい魔法を作ったんだ」

「あら、それはどんな魔法か気になるわね」

「見せても良いんだが・・・・・・広い場所じゃないと危険だ」

「ふむ。それはまた今度の機会としようか。今はアヌグラ・マニュー団にどう対抗していくか考えなければな」

「それもそうね。アトスの作った魔法を見せてもらうのはまた今度ね。楽しみにしているわ」

「お父様、お母様。これは私たちの国だけの問題ではないと思います。他の国とも連携する必要があるのでは?」

 サラが提案する。

「その通りだ。大陸の国々とも連携して対応せねばならんだろう」

「恐らく、奴らは各地の迷宮ダンジョンに強力な魔物を召喚するはずだ。この国でもすべての迷宮に異変が起きていた。それはすべて解決したが、放置しておくとA~Sランクの魔物が次から次へと湧き出てくることになる」

「由々しき事態だな。至急、各国に報せねばならん」

「そのことだが、恐らく各国騎士団の力でも、分散してしまうと全滅する恐れがある。先ほど言ったように、少なくとも竜を倒せるぐらいでないと話にならない」

「むぅ。竜を倒せる騎士団などほとんどいないのだ。私とアイリンは若かりし頃、世界一の騎士と魔法使いと言われていた。それでも竜を倒すのには苦労したのだ。強国なら騎士団の総力を挙げて何とか倒せるかも知れない、と言ったところだろう」

「なら、俺の仲間を各国に派遣しよう。各国には俺の仲間に協力してもらいたい。俺が強化魔法をかけておけば、今のあいつ等なら竜人にも勝てるはずだ」

「アトス以外にも竜人に勝てる者がいるのか。それは心強い」

「あぁ。今この国の騎士団と修行しているはずだ。見に行ってみるか?」

「そうだね。一度見ておいた方が各国の首脳陣にも話をしやすいだろう」


 アトスは騎士団の詰め所に転移門を繋げる。


 ──


「へ、陛下! 敬礼!」

 騎士団全員が敬礼し、恐縮する。

「良い良い。アトスの仲間がお前達と修行をしていると聞いてな。様子を見に来ただけだ」

「はっ。彼の者達との訓練は我々にとっても有益です。騎士団のレベルも徐々に上がっております」

「そう、それは素晴らしいわね。早速、修練場を見せてもらうわね」

「はっ!」


「アレか。確かに強いな。ジャンヌが押されているじゃないか」

「あら、本当。この国で貴方の次に強い彼女が押されている、というのは由々しきことではないかしら?」

 本当はそんな風に思っていないのだが、アイリンは少し悪戯っぽく、そして何か企んでいる様子でシャルロをからかう。

「そうだな。よし、私も腕試しをさせてもらおうか」

「そうね。では私も」

「おいおい、国王と王妃がそんな簡単に・・・・・・いいのか?」

「えぇ。私たちだってまだまだ戦えるってところを見せてあげるわ」

「念のため、自動回復をかけておくよ」

「あら、ありがとう」

「オト、ショウ、ジョグ、ユキ。この二人は強いぞ! 遠慮はいらん。全力でやってみろ」

 こうして、元世界一の騎士と魔法使いvs四聖獣の戦いが始まった。


 開始早々、シャルロが居合斬りを放つ。

 いつ抜いたのか、それどころか抜いたのかどうかも分からぬほどの速さで放たれた剣戟は超高速の斬撃を伴う。

「わわっ!?」

 オトは間一髪で躱す。他の三人もなんとなく危険を感じ、全力で回避していた。

 斬撃を躱してから空気を裂く音が鳴る。

 今度はこっちの番だとオトが全力で聖炎砲セイントフレアを放つ。それと同時にショウの帯雷突進サンダーソニックがシャルロを襲う。

 聖炎砲はアイリンの魔法で相殺そうさいされ、帯雷突進はシャルロが剣で受け流す。

「中々の攻撃だね」

 シャルロが余裕の表情で言う。

 すかさずジョグが彗星群コメットシャワーを放つ。修練場の天井から無数の彗星が降り注ぐ。

「あらあら、凄い魔法ね」

 アイリンはあっさりと、全ての彗星を打ち落とす。

「ばらばらに攻撃してたら通用しないわ。皆、一斉に行くわよ!」

 ユキが檄を飛ばし、極寒幻想吹雪ダイヤモンドダストを放つ。

 修練場全体を猛吹雪が襲い、一瞬でホワイトアウトする。

 その瞬間、ジョグがアイリンを狙って極大の彗星コメットを放つ。

 さらにオトがシャルロの剣を狙って聖炎光束セイントフレアビームを放つ。

 ギリギリのところでアイリンは結界を張り、彗星をなんとか防いでいる。

 聖炎光束はシャルロの剣を弾く。

 その隙を逃さず、ショウの帯雷突進が二人を吹き飛ばす。

「クッ・・・・・・今のは効いたね」

「中々やるわね・・・・・・サラ、シエラ、入って来なさい」

「そうだね。君たちの修行にもなる」

 シエラ? そういえばサラのお姉さんがシエラだと聞いた気がする。

 サラは一緒に来たが、シエラはいつからここに居たんだ? とアトスは不思議に思う。


「さて、これで四対四だね。反撃開始と行こうか」

「アトス。この二人にも自動回復をお願いできるかしら」

「あぁ、もちろんだ」

 こうして、四聖獣vs王家の戦いが始まった。


 早々にシャルロが連撃を繰り出す。

 四聖獣は難なく躱すが、そこにアイリンの合成魔法【霧散雷撃】が放たれる。

 霧に包まれた相手を無数の雷が襲う。

 雷撃に耐えているジョグに横からサラの氷槍アイスランスが突き刺さる。

 虚を突かれたジョグはそのまま雷撃もまともに喰らってしまい、あっという間に脱落する。

 サラの魔法発動の隙を狙ってショウが突進するも、シエラの結界に阻まれる。

 ショウの突進を結界が防いだ瞬間、シャルロの居合が放たれショウも脱落。

 残ったオトとユキも奮闘するが、王家の連携の前にあっさりと倒れた。


 アトスの予想では四聖獣が勝つと思っていたのだが、王家の圧勝劇で幕を閉じた。

「驚いたよ。サラ、強力な魔法を使えるんだな」

「あら、私の娘なんだから侮っちゃダメよ」

「お母様に鍛えられていますから」

 サラは少し照れたように、そして嬉しそうに微笑む。

「初めまして。私の支援魔法も見くびられては困るわ」

 見た目はサラによく似ているが、シエラは少し勝気な女性のようだ。

「あぁ。かなり強力な結界を一瞬で張っていたな。あれは見事だった」

「そうでしょう?」

 嬉しそうに勝ち誇るシエラ。

「シエラ、貴方は知らなかったわね。アトスは私よりも遥かに優れた魔法使いなのよ」

「お母様より? そんな魔法使い、居るわけが・・・・・・」

「彼の魔法を見ればすぐに分かるわ。そう言えば、アレを見せてもらう約束だったわよね?」

 アイリンからの圧を感じる。

「そうだったな。ここなら大丈夫だろう」

 やれやれと言った感じで、アトスは【封殺超爆発プリズンド・エクスプロージョン】を発動する。

 修練場が眩い光に包まれ、轟音が鳴り響く。


「これは凄まじいね」

「とんでもない魔法ね。貴方の魔力はどうなっているのかしら」

「この魔法、消費魔力はそれほど大きくない。持続強化×10の方が数倍消費するぐらいだ」

「それこそとんでもないことね。その程度の魔力なら私でも数発は撃てそうなのに、私の全力の魔法よりも遥かに強力よ?」

「ちょっと特別な魔法なんだ。その分、魔力の制御が少し難しい」

 サラとシエラは絶句している。


「その魔法を私たちに教えてもらうことは可能かしら?」

「・・・・・・考えさせてくれ」

「あれだけ強力な魔法だからね。軍事面での脅威となるのは間違いない。もし戦争に使われたりしたら、教えた方はたまったもんじゃないよね」

「なるほど、そういうことね。なら教わるのは止めておくわ」

「そうしてくれると助かる」


「さて、アトスの仲間達のことも分かったし、早速、各国に通達を出すことにしよう」

「どのくらいで行き渡る?」

「全ての国に届くには1カ月はかかるだろうな」

「それでは遅いな。奴等が操る魔物はどんどん強力になってきている。早く手を打たないと・・・・・・」

「なら、紹介状を書こう。それを持って各国を回ってくれないか」

「紹介状か。なるほど、そうしよう」

「もし上手く行かなかった場合、俺を呼んでくれればいい」

「その時は私もご一緒しますわ」

「あぁ、よろしく頼む」


 ──


 王宮に戻り、シャルロは急いで紹介状を用意する。

「出来たぞ。ユマラン、アイソル、セントリーマ、ニカラール、オリアマリンビア。この五国を回ってくれ」

「分かった。済まないが、地図を四枚もらえないか」

 執事がすぐに地図を四枚持って来た。仕事が早くて好感が持てる。


「アトス、もう行ってしまうのですか?」

 サラは寂しげに言う。

「あぁ。急いだ方が良さそうだからな」

「また来てくださいますか?」

「必ず来るよ」

「はい!」

 サラは泣きだしそうになる気持ちをグッと抑え、笑顔で返事をする。アトスの心残りとならないために。

「またな」


 ──


 アトスは四聖獣を連れて、ユマランの王都オービに移動する。

 これから始まるのは、アヌグラ・マニュー団との全面対決だ。

 強い決意とともに、アトス達は王宮へ向かう。


次話は明日アップ予定。


ブックマーク、いいね、評価、レビューいただけると幸いです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ