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第2話 プログラム×魔法


「ふぁ~、よく寝た。楽しい夢も見れたし、働くとするか」

またあの夢をみられないかな、なんて思いつつ、起き上がる。


ん?

んん?


ここは・・・石壁の家だ。

もしかして・・・いや、もしかしなくてもここはファンタジーの世界だ。

(やった!)

まだこの世界で遊べることに喜んだ俺は、改めて思う存分楽しむ決心をした。


まずステータス確認。


生命力: 30 / 30

魔 力: 210 / 210


順調に魔力が上がっているな。

リンゴもあるし、少し魔法の練習をしたら散策しよう。


そうだ。せっかくだから、ベッドを作ろう。

木の枝を狙って風の刃を放つ。

うーん、もっと小さくても良さそうだ。


小さな風の刃をイメージして、魔力も少なめにして・・・

おっ、良い感じ。


集まった木の葉を拠点の中に運ぶ。

ふかふかの葉っぱのベッドが完成した。

うむ、良い感じ。

満足した俺は、散策に出かけることにした。


・・・・・・


しばらく歩いていると、何か聞こえてきた。


「ギギ」


ん?


「ギギ・・・ギギィ!」


「うわっ、なんだ!?」

目の前に、見たこともない生き物がいる。

いや、どこかで見たことあるような・・・あっ!!

もしかして、ゴブリンか!?

それも3匹。


ゴブリン達もこちらに気づいている。

それに、なんだかにらまれているような気がする。

もしかして、襲いかかってくる・・・のか?


「ギギィィィッ!!」


きたっ!

とっさに火球を放つと、先頭の1匹に命中した。

どうやら倒せたようだ。

しかし、まだあと2匹いる。


「ギギィィィッ!!」


2匹連続で襲い掛かってくる。

落ち着いて狙いすまして火球を放つ。


サッ!


「えっ!?」


襲い掛かってきたゴブリンは、素早い動きで火球を避け、そのまま殴りかかってきた。

まさか避けられるとは。

焦りながらも1匹目の攻撃はなんとかかわしたが、体勢を崩してしまい2匹目に殴られてしまった。


「痛ってぇ!」


めっちゃ痛いぞ!

夢なのに!!

慌ててステータスを確認。


生命力: 20 / 30


生命力は10しか減ってない。

痛かった割に、思ったよりダメージはないのか。

・・・いやいや、あと2回殴られたら死ぬ!?

めっちゃダメージ高いじゃねーか!

マズい、なんとかしないと。

変な汗が出てきた。


火球は避けられたし、どうする?

・・・

・・・・・・

火球は分かりやすくて避けられるのかも知れない。

それなら・・・これでどうだ!


スパッ! スパッ!


目に見えない風の刃をゴブリン達に向かって放つ。

狙い通り、ゴブリン達は何が起こったか分からないまま、身体を真っ二つに切り裂かれた。


「ふぅ、助かった」

風刃は目に見えないから避けられないと思って試したんだが、正解だったようだ。


それにしてもヤバかった。

ゴブリンは最弱レベルの魔物だと思っていたけど、弱くはないんだな。

いや、俺が弱いだけかも知れないが(苦笑)


ともかく、この戦いで"魔法は必中ではない"ことが判明した。

対策をせずにまた魔物と出会ってしまったら、ヤバいかも知れない。

それまでに、魔法を確実に当てる方法を見つけなければ。

(あるかどうかは分からないが)

もちろん魔法をもっと練習して強く・速く放てるようになるのも大切だな。


こんな風に、課題を見つけて対応策を考えて、って流れは楽しいんだよな。

これは職業病かも知れない。

(身の危険が無ければもっと純粋に楽しめるんだがな)

・・・

・・・・・・

少し考えて、対応策を思いついた。

実際にできるかどうか、早速試してみたい。

近くにゴブリン居ないかな。できれば1匹で。


おっ、早速ゴブリンを発見!

2匹いる・・・が、2匹ならなんとかなるだろう。


早速試してみるか。

刻印マーキング!)

できた!

いい感じに2匹とも眉間に印がついた。

これでロックオンして、火球を撃てば・・・


「ギギッ」

余裕の表情で火球を避けるゴブリン。

だが、火球はゴブリンを追尾する。


「ギッ!?」

避けたはずの火球が自分に向かってくるのを見て驚くゴブリン達。

その瞬間・・・

「ドゴッ!」

火球はゴブリン達の眉間に命中した。

「ギギィィィ・・・」


「よし、思った通り!」

思った通りになった時の快感は、夢の中でも最高だな。

ん?

ゴブリンの身体から何か出てきた。


これは・・・石?


──


ゴブリンの身体から出てきたこの石、何かあるんだろうか。


「ただの石じゃないよな?」

それに、必ず出てくるわけでもなさそうだ。

今まで倒したゴブリンは5匹だが、石が出てきたのは1つだけだ。

必ず出るわけじゃない、というだけで貴重なモノに思えてくる。


色んな角度から石を見たが、特に普通の石と変わらないように見える。

うーん、熱してみたら何か起こるかな?

手のひらに石を置き、火球を出してみる。


「あれ?火球が出ない」

いや、出ないというか、何か不思議な感覚だった気がする。

確かに魔力は流れた感覚があった。

それなのに火球が出ない。

なぜだ。

・・・もしかして、この石に吸い取られたのか?


魔力が減っていないか確認しよう。


魔 力: 402 / 410

・・・

スキル: プログラミング


魔力は消費している。

魔法が発動したということだ。

やっぱり、この石に吸い込まれたのかも知れない。


・・・ちょ、ちょっと待て。

いま【プログラミング】って見えた気がする。

もう一度、ステータス確認。


スキル: プログラミング


やっぱりだ。

プログラミングって言われても、パソコンも無いのにどうしろと言うんだ。

・・・

・・・もしかして!

そういう事なのか!?


ゴブリン、ゴブリンを探そう。

俺は今、ある仮説を思いついた。

これを試すために、ゴブリンが必要だ。

急いでゴブリンを探す。


いた!

少し離れたところに、ゴブリンを見つけた。

しかも、1匹だ。都合が良い。


「ギギ?」


まだ遠い。

もう少し近づいて・・・


「ギギィッ!」

こっちに気づいたゴブリンが、勢いよく向かってくる。


プログラム魔法、発動!

(もし、半径5m以内にゴブリンがいたら、マーキングし、火球を放つ)


ドンッ・・・ボガーン!


こ、これは・・・すごい!

今の魔法発動でやったことは

・半径5m内を探索

鑑定かんてい(感知した存在がゴブリンかどうか)

・条件分岐(ゴブリンがいるかどうか)

・刻印

・火球


探索も、鑑定も、条件分岐も初なんだが・・・上手くイメージできて良かった。


「プログラミングって、こういうことか」


もしかしたら、これはかなり便利なんじゃないか?


第3話は明日アップ予定です。

引き続きよろしくお願いします。

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