第2章 5, 和解?
「えっと……知らなかったのですか…?」
確かに私の事なんてそんなに興味なさそうだし。知らない方が普通なのかな?
「全く知らなかった。噂もなにも聞いていないし。」
「そうですか」
……侯爵令嬢が毒を飲んで倒れたのに噂になってない…これって普通なの…?
冷静になって私は考え直してみた。
母親に毒を飲まされたのなら私の事を内密に殺そうとした可能性が高い。今日学校に来ても誰からも体調を心配されない。元々ルアは人とあまり関わっていないのもあるが、それはおかしい。
「ルア?」
「……あ、あぁ、ごめんなさい。」
「つまりその毒のせいで記憶が無いと。」
「はい。」
「じゃああの事も……、」
「?」
あの事って……この前の夢で見たルアの記憶かな…?
「いや、なんでもない。」
「は」
……あ、王族に「は?」って言っちゃった…!!
けれど、皇太子は気にする素振りを見せず
「記憶が無かったにも関わらず嫌な態度をとってしまって申し訳ない。よかったらこれを機に仲良くして欲しい。」
「は、はい…?」
「ありがとう。」
え、なんか相当私の事嫌悪してそうだったのにこんなにもあっさり仲良くなっちゃっていいの?
それに、この皇太子意外と礼儀あるじゃん!最初からこれだったらよかったのに。
「では向かおうか。」
✧︎*。
「つかれたぁ〜……!」
私は1人でそう呟いたあと、大きくため息をついた。
先生の話の内容はこんな感じだった。
クラス委員の仕事は週に1回の集まりへの参加、行事などを仕切ること、配布物などの整理。
クラス委員になったからには頑張るしかない…!
「寮まで送ろうか?」
ジアン様がそう聞いてきた。それはちょっと気まずい気が……
「弟に送って貰うので大丈夫です。ご好意感謝します。」
「そんなに固くならなくていい、」
「え、あ、はい」
「早く帰ってゆっくり休むといい、お疲れ様。」
「ジアン様こそお疲れ様です。ではさようなら。」
「俺とクラス委員になってくれてありがとう。」
余りにも眩しすぎる笑顔でそう言ってくるものだから少しきゅんとしてしまった。
「…うん!」
私も負けないくらいの笑顔で言ってやった。
「また明日。」
私はそう言ったジアン様に少し手を振った後、そそくさと弟の教室を探す旅へと出た。
ジアンが黄色の目をきらりと光らせて意味ありげに笑っているのも知らずに____。




