第2章 3, 隣の席
「どうして勝手に行ったのさ!!」
「………」
「…ルア、そちらの方は……?」
お!!2人の愛を深めるチャンスじゃん!
私はエドのことを腕でぐいぐいおしてあげた。
「……」
なんで私の事をそんなおかしな目で見るの。早く挨拶しなさいよ!
「…私はルア・ミェルガーナの弟、オルクエド・ミェルガーナと申します。以後お見知りおきを。」
「ルアの弟なのですね。私はドルティア公爵家のレミリア・ドルティアにございます。」
うわあああ……!
こんなの絵本に出てくる王子様とお姫様じゃん!
2人が美男美女すぎて私が霞むよ…!いや、でもエドの姉の私だって負けないくらい美人なはず……
興奮している私をよそに2人は会話を続けている。
「姉さんとはいつ仲良くなられたのですか?」
「さっきよ。1年の頃は違うクラスだったもの。」
「そうなんですね。」
「………」
「………」
2人は一目惚れしたような素振りもなく、ただただ気まずそうにしている。
あれれ?
「…姉さん教室に……」
「あ、そう!レミが一緒に行ってくれることになったから大丈夫だよ!」
「え、えぇ……」
私を追いかけてきてくれた様子のエドには申し訳ない。
「では、貴方のお姉さんお借りしますね。」
「……姉さん迷惑かけないようにね?」
少し神妙な空気が漂う。
「ううううん!勿論だよ!」
そうして私達とエドは別れた。
✧︎*。
「ここが2年C組の教室よ。」
「昇降口からすごく遠いんだね……階段登るの大変だった…」
「これくらいの運動は慣れなくてはね。一緒に運動でもする?」
ふふっと笑いながらレミがそう言った。可愛い。私のヴィーナス。
「是非是非そうさせてほしい!」
可愛い子がいれば私も頑張れる気がする。"気が"する。
そんな事を話しながら私達は教室に入った。
私の席は……レミと意外と遠い……!!レミの近くがよかったな……とほほ…
私の席の場所は1番窓側の列の3列目だ。
既に隣の席には人がいた。
私は自分の席に着くと、隣の席の人に
「おはよう!」
って言っておいた。人脈を広げたいし!
でもなぜか隣の席の人、既視感あるんだよなぁ……。
漆黒の髪と黄色い宝石みたいな目の男の子。うーん…
というか返事が返ってこない。
……
「ねえ、おはよう!」
「……」
「大丈夫?」
「なんで俺に話しかけるんだ?」
「え、ダメだったかな?」
「…今度は何がしたい。」
え、何言ってるのこの人。謎すぎる。
「…名前聞いてもいい?」
彼は、はぁと荒く息を吐くと
「ジアン・ディ・オーズクレイ。忘れたフリ?」
ん……???
あ!!
…嘘でしょ!?
こ、こ、この男…… この国の皇太子じゃん!!!!




