第3章 4, 謎の婚約者2
放課後、私は図書室にいた。
魔法学の本棚あたりを見ていると右側から足音が近づいてくる。
「おまたせ、遅かった?」
「ううん、どんな本があるか探索してたし。」
「え、ルアが?」
なんて失礼な人なんだ。
私は彼の足を軽く蹴った。ふん、いい気味!
「ごめんて」
彼は気を抜いたように軽く笑った。
「はいはい」
この笑顔はなんか許しちゃうんだよな〜...不甲斐ない!
「それで、今日はどうしたの?アレン。なんか様子変だったけど。」
そう、彼ことアレンは今日すごくおかしい。
大体予想はついてるけど!
「それが...」
「レミとの婚約のことと関係してるんでしょ?」
「…聞いたのか」
図星とまでにアレンは大きく目を見開いた。
やっぱアレンは何か知ってるっぽい!
「どうして急にこんなことになったの?あ!もしかしてレミのこと」
「とまれとまれ。この婚約は俺が望んだわけじゃないんだよ!」
となると…
「ジアンの奴がコネ使ったんだ。」
「なんで分かるの?」
私がそう尋ねると、アレンは研修旅行の班の話をした日の放課後の話を始めた。
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『どうした?ジアン。』
『俺も同じ班に入れてくれない?』
『お、入ってくれるのか!歓迎するよ。』
ジアンの表情を見るにまだなにかあるな?
『他には?』
俺は聞いてみた。
『あんまりルアと馴れ馴れしくするな。』
『は?』
今聞いたことに耳を疑うしかなかった。
そもそもなんで俺の友人関係をこいつに指図されなきゃなんないのか、…
『俺はこれからもルアと仲良くするつもりだから。』
苛立ちながらもきっぱり言ってやった。
『……へぇ』
ジアンは怪しく微笑みながら鋭い目つきで見てくる。
俺は無言でその場を後にした。
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「ってのが今までの流れ。」
「…なんか、ほぼ私のせいじゃない?」
もっと真面目なことで揉めたと思いきや、私かい!
せめてそこは私みたいなモブじゃなくてレミのことで揉めてよ!!
もしくは後々登場する魔王のこととか!!
…魔王?……あ!!!
私は大事なことを忘れていた。
「ルアのせいじゃない、揉めた俺のせいだよ。」
アレンがなんか喋ってるけど、
「ごめん、私用事思い出したからまた明日!!!」
「は?ルア!?」
私は困惑するアレンをよそに鞄を抱えて走り出した。
こんなに大事なことを忘れてたなんて…!!!
走って息が荒くなってきたころ、私は彼の元についた。
長い間投稿停止していてすみませんでした。
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