第2章 7, 私の友達
「ルア、おはよう!」
「レミおはよう!」
私は読んでいた教科書を置いてレミの方を向いた。
「早く来て勉強していたのね、お疲れ様。」
「ありがとう…!」
今日も私の義妹はなんて美しいんだろう。かわいい。
「あら、皇太子殿下もごきげんよう。」
「あぁ。」
ん…?そういえばどうして昨日ジアン様はレミをクラス委員に指名したんだろう。もしかしてす、す、すきなの!?!?
「私も勉強しないとだから行くわね、頑張って!」
「レミも頑張ってね!」
そうしてレミは教室の入り口に近い自分の机へ向かっていった。
残された私とジアン様のこの雰囲気気まずいんですけど。
「…」
「…」
「そ、そういえば、どうして昨日クラス委員にレミを指名なさったのですか?」
「ん、レミリア嬢は学年で上位5位に入るほどの秀才だから仕事の効率も良くなると思って。」
「頭まで天才だなんて…ほんとにお嫁にしたい…」
「嫁に…?」
は!!!!私今口に出てた!?!?
「あ、いや、これは比喩表現というもので…」
「なるほど、結婚されては困るしな。」
「…!ごめんなさい私は応援できません!!」
「は?」
こいつ…!やっぱりレミのこと好きなんだ!!負けられない…!
「何か誤解を…」
「ジアン様!今日から私たちは敵です!!」
「ちゃんと聞け。」
「騙されませんよ!」
「ルア。」
「…」
急にジアン様は私の肩を掴んできた。
「俺はレミリア嬢に好意を抱いてない。それだけは理解してほしい。」
「へ…?」
じゃあなんで……というか私相当恥ずかしい勘違いしてない…!?もう顔合わせたくないんだけど!実際今合わせてるけどね。
「俺はルアのことで心配してただけだから。」
「わかりましたわかりました!!私はまた勉強するので!!すみませんでした!」
恥ずかしくてついそっけなく返事をしてしまった。
「分からないところがあったら俺に聞くように、こう見えても学に自信はある。」
「…ありがとうございます。」
優しい声色で聞こえてきた声にどきっとしてしまったのは私だけの秘密。
「お!レミおはよ!」
今度は誰なの!?次から次へと!
「お、おはよ〜!」
やばいルアの友達?全然知らないんだけど。
無邪気な笑顔で話しかけてきた茶髪の青年の胸には名前のバッジがついている。
「ルアにしては朝から勉強なんて珍しいじゃん!」
「そ、そうかな〜…?」
そんな話をしている彼の名前は……