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あの時、ボブの言うことを聞いていたら、
母さんを悲しませることはなかったのかもしれない。
再度苦しませることなんてなかったのかもしれない。
でも、やっぱりキミを見捨てることなんてできなかった。
ボクはあの時の事を思い出すと、
結局何が正解だったのか未だに答えを見つけることができない。
ボクのやり方が間違いだったのか、それすら分からない。
ただ一つ言えること。
中途半端な正義感と、偽善が、ボクを。
ボクの周りをあんなに悲しませ、巻き込んでしまうとは思わなかった。
母さん、ごめんね。




