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「いつまで拗ねてんの」
ボクは未だなんだかそわそわしており、
キミを直視できないでいた。
だからバスローブに身を包んだ後も、
布団にもぐりこんでキミと目を合わさないようにしていた。
「お腹減ってるやろ?ピザとポテト頼むつもりやけど、
他になんか要る?」
ぐぅ
体は素直で、キミの言葉に簡単に反応する。
確かに少しお腹が減ってはきている。
「要る」
ボクは布団から両目だけを出して、そう答える。
「何してんの。ホンマ。
ほら、早くベットからでてきて!一緒にメニュー見よ?」
もしかしたらキミと過ごす最後の一夜になるかもしれない。
だからさっきの恥ずかしい記憶に蓋をして、
とりあえず今のこのひと時を楽しむことにした。




