69.
「みみみみみ見た!?」
暫くしてバスローブ姿で浴室から出てきたキミにボクは意を決して尋ねた。
バスローブがどこにあるのか分からなかったボクは、
布団をぐるぐる巻きにして、全裸からなんとか逃れている状態である。
「なにその恰好」
ケラケラと笑うキミは、先ほどの飲みかけのペットボトルを口に含む。
やっぱりその仕草はエロイ。
いや、そんなことは今関係ない。
ボクは頭を振って邪念を取り払う。
にしても、ボクのこの動揺を全く感じ取ってくれないキミに、
ボクは若干イラつく。再度言葉を変えて尋ねることにした。
「なんでボク全裸なの?その…み、見たの?」
これじゃあどっちが女の子なのか分かりやしない。
「へ?まぁ、バッターンてお風呂で倒れたから。うん。
驚いて、服を着せてあげよう、なんて考える余裕もなかったし…。
見たって言えば、見たかも……。
てか、ベットまで重いアンタを運んであげたウチを褒めてほしいねんけど」
「そ…それは、あ、りがとう…」
「フフ。でもそんなに凝視してへんで。
やっぱ小さいなーって確認くらいしかしてなかったと思うし」
やっぱり見たんじゃないか。
とてつもなく恥ずかしい。穴があったら入りたい。
「あ、バスローブはベット下の収納ケースにあんで」
そう言ってベットの下を指さす。
「あと、着てた服はここのカビの臭いがつくの嫌やったから、
浴室に干してる」
テキパキとキミは説明をしてくれるけれど、ボクの頭には全く入ってこない。
やっぱり自身の局部を年頃の女の子に見られたのが、
どうしようもなく恥ずかしくて、辛かった。




