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68.

 「だ…………ぶ?」


 目を開ける。


 亀裂の入った汚い天井と、

 今にも切れてしまいそうな淡い光を灯している電球が見える。

 頭はまだぼーっとしており、

 何が起きたのか状況をうまく飲み込めないボク。



 「大丈夫?」


 声のする方を見る。

 ベットに腰かけ、ボクの頭を撫でながら心配そうに見つめているキミ。


 「ほら、水。飲んで」


 そう言ってペットボトルを差し出す。


 「ありがと…」


 渡されたまま、その水を飲む。

 生ぬるい液体がのどを潤す。


 「大丈夫?頭打ってへん?思いっきり倒れたからびびってんけど…」


 キミはもう一つのペットボトルをどこからか出してきて、

 蓋を開け、キミも同じく水を口に含む。

 頭がまだちゃんと働いていないからか、

 キミのその仕草が随分とエロく見える。


 「脱水症状や思うで。安静にしときや。

  んじゃ、ウチ、シャワー浴びてくる」


 そう言ってボクを置いてそそくさと浴室へと去る。


 ボクは再度水を飲み、ペットボトルをベットの端に置く。


 脱水症状で倒れた?

 初めての経験でにわかに信じがたかった。


 ゆっくり起き上がり、ベットの端に腰をかけ、

 再度水を含もうとペットボトルへと手を伸ばす。


 ブッ


 思わず水を吹き出してしまった。


 「え?え?えええ!!!???」


 一人で奇声のような声を大きくあげる。


 なぜって?


 ボクは何も服を着ていない、全裸状態でベットに横になっていたからだ。

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