表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/104

65.

 少し型の古いエレベーターは、

 ガタガタと激しく揺れて、ゆっくりと動く。


 無言が少し辛い。 

 耐えかねたボクは、「ラブホって前払いなんだね」

 と、この無言を破ることにした。

 「そんなことないやろ。基本は後払いとちゃう?」

 「?」

 「中でフードとか、ドリンク買う人もおるし」

 「でも…」

 「ま、自殺する人が多いんとちゃう?死んだらお金もらえんし(※)」


 だから、ここはきっと前払いなんやで~とキミは気楽に続けるが、

 ボクは逆に緊張が高まってしまった。


 なんだかより微妙な空気になったような気もする。


 チン、と音がしてようやく3階につく。


 小さな共有フロア。

 やっぱりここも、かび臭い匂いが漂っている。

 ボクたちはエレベーターを降りて、周りを確認する。

 そこにはたった3つの扉しかなかった。


 各扉の上に書かれている部屋番号を確認する。

 301、302、303


 「303やって」


 ボクにとっての初めてのラブホ。

 感動も甘い雰囲気も一切を感じることなく、

 ボクはキミと共に部屋へと入っていった。


(※)女の子視点の偏見です。そんなことはありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ