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54.

 ボクたちはまず先にスカイツリーに行くことにした。

 巣鴨から向かうにはこちらの方が距離的に近かったからである。



 「もうだいぶと陽が落ちてきたね」



 展望台へと向かう入場券を買う列は、

 平日だというにも関わらず大変混んでいた。

 もしかしたら今が夏休みだから?

 あたりには学生に、外国人に、年配の夫婦まで。

 老若男女、多国籍の人たちで溢れていた。


 ボクたちがようやく展望台に上がった時には、

 既に外に見える景色は夕焼け色に綺麗に染まっていた。


 「でも、逆にちょうどいい時に来たんじゃない?」


 キミがそう明るく言葉を発するもんだから、

 さもキラキラとした眼差しで外の景色を見ているんだと思っていた。



 でも違った。



 そっと盗み見たキミの横顔は

 ボクが想像していたよりもずっと冷たく、思いつめた顔だった。

 


 もうすぐ、彼の活動時間になる。

 ボクたちが東京に来た理由の

 ”見回りおじさん”に会えるかもしれない時間帯。


 「東京タワーに行ったら、もう夜景が見えるころかな?」


 

 やっぱり不安になった。

 こんな人ごみの中、

 たった一人の人間なんて果たして見つけることなんてできるのだろうか?


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