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46.
「ごめん、待った?」
突然のキミの声にボクはギクリと肩を飛びあげる。
「ごめんごめん」
ケラケラと笑うキミ。
「別に驚かしたかったわけちゃうんよ…」
「や、大丈夫…」
「フフ。てか、あのおじさんと何話してたん?」
遠くに見えるあの酒臭い男性をあごで指しながら、キミはそう聞く。
「分かんない」
ボクは正直にそう答える。「なんか訳分からない事一人でしゃべってた」
「ふ~ん…」
キミはまるで睨むようにしてその男の背中を睨みつける。
「それより、もう用事は終えた?」
「あ、うん。へそくりも無事回収したし、今から行こ」
こうしてキミとボクの
最初で最後の思い出の旅が始まった。




