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43.

 結局キミは母さんのファンデーションだけを借りていた。

 隣で歩くキミは不自然な色の肌をした女の子。

 笑ってしまいそうになるのをこらえる。


 「家寄っていい?家にへそくりがあるの。こういう時のために」


 ヘラっとから元気に笑うキミにボクはなんだか胸騒ぎを覚えた。


 「ウチな、今まで頑張ってお金貯めててん」


 どうやって?とは聞かなかった。

 なぜならキミの噂が頭をかすめたからである。


 信じるもんか、と心の中では思っていても、

 どうやって中学生であるボクたちがお金を貯めることができるのか。

 それも東京までの運賃を二人分。 

 もしかして…。もしかすると…。

 でも、信じたくなかった。ボクはボクの目で見るキミを信じたかったから。 


 「だからまずは家に寄る。昨日の今日でまだ家にいないやろうし…」


 キミのその笑顔が今日はなぜだかとても痛々しく思えた。


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