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38.
一瞬聞き間違いかと思った。
ボクはブンブンと頭を横に振る。
女性と二人で同じ布団で寝るなんてボクには未経験。
いや、母親となら…。
でもこの場合はこれを数に入れてもいいのか?
ボクは混乱した。
心臓の鼓動も異様な早打ちをし始める。
「え、緊張してんの?」
けれどキミはニヤニヤした顔を浮かべながら
ボクをそんな風に茶化してくるから…。
ボクも意地になってしまう。
「別に…。一人で寝れないの?それくらいいいよ」
そう言い終えた後にボクは少しだけ後悔した。
でも、その一方でなんとも言えない
少し心躍るような感情が湧き出てもきていた。
けれど、ボクはこのことを一生キミに言うことはないだろう。




