37.
ご飯を食べ、大して面白くもないテレビをつけ、
ボクとキミは二人ソファーに並んで座ってそれを見る。
- 泊まって言ってもいいよ、って言ったけど、どうしよう…
ボクはテレビ画面をじっと無心で目に入れる。
キミは隣でケラケラ楽しそうに笑っているが、
ボクの耳にはテレビの話す言葉なんて全く入ってこないから楽しくない。
今更ボクは気にしてしまう。
それは時間がたつごとに強く強く。
隣にいるキミを変に意識してしまうようになる。
キミは異性なんだ、ということに。
女性に対しての免疫なんてないボクは、
急にそのことを思い出してそわそわしてしまう。
夜になんてならないでほしい。
まだボクの頭は冷静になんてなれないし、
どうしたらいいのかだなんてのも、分からない…。
でも、時間は待ってはくれない。
やがて日は暮れ時は過ぎ、すっかり夜も更ける。
眠気がボクを襲い始めてきた。
「部屋のベット使って。ボク、ソファーで寝るから」
眠気の襲う頭から出てきたのはそんな言葉。
キミと一緒の空間にいるから変に意識し、緊張してしまうんだ。
なんでこんな当たり前のことに気が付かなかったんだろう。
別々の部屋で寝ればいいだけなのに…。
「え、何で?」
けれどキミはボクの提案を首を傾げ否定する。
「せっかくだから、一緒に寝ようよ」
キミはなぜか小さなベットで二人一緒に並んで寝ることを望んだ。




