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36.


 「雨やまないし、今日はうちに泊まりなよ」


 ボクの声にキミは目を見開いて驚く。


 「え?いいの?」


 まだ外は強い風が吹いていた。

 ガタガタと窓を強く叩く音が微かに聞こえる。


 こんな天気の中ボクがキミを外に放り出すわけなんてないのに…。

 なぜキミがそんなに驚くのか理解できなかった。


 「外まだ雨降ってるし、風もきついし…。

  せめて台風通り過ぎるまではここにいなよ」


 とりあえずボクはぼそっと声を落としてキミにそう伝える。


 「ありがとう」


 キミの照れた笑み。

 なんとも言えない緊張感がボクたちを包み込んでいた。



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