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34.
結局、夜になっても雨風は一向に収まることがなかった。
乾燥機にかけていたキミの服はもう乾いている。
でも、キミはそれに着替えることなく、
ボクの体操服を着たまんま。
キミはしょっちゅう意味ありげに
ニタニタとした笑みをボクに向けてくる。
「今日はこのまま泊まってもいい?」
きっとなんの意図もせずにキミはボクにそう尋ねただけ。
分かっている。分かっているけれど…。
どうしようもなく緊張してしまう。
胸が痛くなるほどボクの心臓は激しく鼓動を打ち続けている。
やっぱりボクはキミが根本的に苦手なのかもしれない。




