100.
15禁です。
部屋からでていったボクを馬鹿にし、あざ笑うアイツたちの声が
後ろの方から聞こえる。
でもさっきと違って、ずっとずっと遠くの方から聞こえてくる。
そんな気がした。
先ほどまで頭に血が上っていたのに、今はとても冷静だ。
もう暑さもムカつきも、何も感じない。
床に散らかっているゴミのぬめりを踏みつけても、何も気にならない。
全てがゆっくりと動いて見え、頭が冴えている。
台所に置きっぱなしになっていたそれが光り輝いていた。
ボクにはそれが希望の光に見えた。
それをおもむろに手に取る。
チクリとした痛みを一瞬感じたから、一度ソレを持ち直すと、
希望の光が、今度は眩い美しい煌めきへとその輝きを増し始めた。
そしてボクはキミの待つ部屋へと戻っていった。
ボクが戻ってきたことに気づいていないアイツたちは、
キミを囲んでひどいことをしている。
何か話しているけれど、何語を話しているのか分からない。
ああ、そうか。
やつらは人間ではないのだから当たり前だ。
きっとどこか遠くから来た外国人、いや、宇宙人だ。
それとも何かの妖怪か…。
そうだなぁ…。
よく分からないものは駆除しなきゃ。
ボクはまず、キミの中に入っている小太りの男に向けて、
持っていたものを振り落とした。
赤い赤い液体がこの男の肩からでてきたのが見えた。
見間違い?こんな男にも赤い血が通っているということに驚く。
小太りの男は元気そうだ。こちらへと振り返り、何かを叫んでいる。
肩をぎゅっと握りしめながら、その場に立ち上がった。
そして男が立ったことで、下半身のソレがボクの目に鮮明に映し出された。
さっきまでキミの中に入っていたソレ。
あ~。汚い。汚い。汚い。
とても憎く醜く汚く感じたソレ。
ボクは今度は肩ではなく、ソレにめがけて大きく光を振り落とす。
何か野生の動物の叫び声が聞こえる。
でも、関係ない。
小太りの男がボクを殴る。
でも痛みなんか感じない。
代わりに殴られた分だけ、いやそれ以上に、
何度も何度もソコに向けて美しい光を振り落とす。
真っ赤な液体が辺りに飛び散る。
威張っていた男が今度は涙を流して呻きだし、何かを懇願しだす。
周りにいたアイツも取り巻きもいつもの威勢はない。
ガタガタと震え、その場に座り込んでいる。
先ほどまで汚く大きかったソレは、次第に小さくなっていた。
ハハ。馬鹿じゃねぇの。
ボクは全ての男たちを見下ろす。
なんでだろう?
なんだか皆ひどく小さく、弱く見える。
ハハハ。
色んな声が音が聞こえるけれど、もうそんなこといいや。
だってだって
楽しいんだもの。