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プロローグ

 いつから始まったか、そんな事覚えてない。

 きっかけが何なのか、そんな事知る訳がない。



 「おい、脱げよ」

 「自分で触れよ」

 「ほら女子ー!見ろよ、こいつの!ちっちぇ」



 ケラケラ笑いながらボクに命令する男たち。


 反撃しようなんて、もうそんな気力残ってない。

 殴られるのは痛いし、後で担任に呼び出しくらうし。

 それにもう慣れたんだ、この仕打ち。

 だからこの屈辱の時間は、テレビCMだと考えることにしてる。時が流れていくのをただただ待っているだけのあの無駄な時間。



 「きゃー!」

 「もー、男子!こんなところで脱がないでよ!」

 「先生呼ぶよー」



 全く教師を呼ぶ気のない、好奇心で見つめてくる女たち。



 ボクは教室で下半身だけ剥き出す。


 『今日、傘忘れたなぁ』


 窓の外に見える雨雲をみて、呑気にそんな事を思っていた。

 

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