ツチノコと僕たちの部活存続
〈キャラクター〉
主→主人公。だらけ部二年部員。ニックネームは布団。特技は極上の布団作りで、だらけることに情熱を燃やす。
教頭→教頭先生。
部長→だらけ部部長。天才。ラプンツェルのように髪が長い。
デブ→おデブなだらけ部一年部員。ニックネームは千歳飴。
フラ→イケメンフランス人のだらけ部一年部員。ニックネームはイケメン。
とある学校にはだらけ部があります。メンバーは曲者ぞろいで四人。活動内容は「だらけること」。もちろん、学校非公認。
特に害はなかったので空き教室を勝手に使っていてもお咎めはありませんでした。
でも、学校側の都合でその空き教室を物置にすることになり……。どうなる、だらけ部!
主:ええええええっ!?
教頭:これ、決定事項だから。てか急に叫んで喉痛くなんないの?きみ
主:ぶ、部がなくなるってどういうことなんすかぁ!
(主人公以外ぽかーんとして)
教頭:……何言ってんの?
部長:そうだよ布団くん。だらけ部は正式な部でも同好会でもない。なくなるもなにもはじめっから「ない」んだよ~
主:そ、そんなぁ
教頭:ま、君たちが今までだらけ部としてここを使えてたのが奇跡だから。
部長:いや~若さって素晴らしいですね~
教頭:当てつけかね。
主:俺はだらけ部がないと……だらけられないとダメなんだぁぁぁ
教頭:いやね、実績も何もない集まりがあっても困るんだよ。
主:そうでもないそうでもないです
(ドアが開く音)
フラ:bonjour~ここ涼しいでーす
部長:お、来たねイケメンくん
フラ:いけめんでーす
教頭:一、二、三、四。これで全員だね。じゃあそういうことだから、ここ片付けとくんだよ
主:ちょ待
(ドアが閉まる音)
フラ:どういうことでしょう? まさか廃部?
主:無慈悲だ……。
部長:布団くんの落ち込みようからわかるように、まあ端的に言うと、部でもない団体に居場所はないってことさ
主:無慈悲だぁ……
デブ:ずっとお菓子食べてる僕に何のツッコミがないのもひどいと思う。
ハイご指摘はいりました。ここでちょっと時を止めまして、改めて紹介しましょう。
主人公、通称布団。だらけ部部長、通称部長。フランス人のイケメンとおデブの千歳飴。計四名、だらけ部のメンバーたちです。ま、一週間後くらいには「元」だらけ部メンバーですけd
部長:案ずるな、策はある(食い気味)
ちょ! 時止めてんのに!
部長:いやあ俺天才ですから。
デブ:さすがですもぐもぐ
お前まで!すっこんでろおデブ!
デブ:筋肉はすべてを解決します。これは脂肪ですけど。
えー無敵じゃん……。
(部長、指を鳴らす)(時の流れが戻る)
部長:案ずるな布団くん。だらけ部は不滅さ。
主:へ?
フラ:部活になれば万事解決です~!
デブ:……万事解決?
部長:そういうこと。今日からだらけ部の名前は「オカルト研究部」だ。
主:実績……ツチノコ発見……部室ゲット……
デブ:と、いうわけで山にツチノコ探しに来ております。
主:部室でダラダラ……クーラーガンガンで快適にダラダラ……
フラ:地獄のように暑い現場の千歳飴とイケメンでーす。やっほー
部長:ちなみに、ツチノコを見つけたら一億もらえるらしいよ。
デブ&フラ:すごーいでーす。
主:みんなぁ、ぜえぜえ、あそんでないでさがせぇ、はあはあ
フラ:見てください! だらけられないのでへばった布団くんでーす
部長:すごーい。
デブ:飽きましたねぇニュースキャスターごっこ。
フラ:俺たち、もうおひゃり(終わり)にしよう……
主:噛んだな。
デブ:噛んだね。
フラ:俺たち、もう終わりにしよう(きりっ)
主:メロドラごっこ?
デブ:火サスごっこ?
部長:いや、UFOだ!
主:ゆーふぉー?
部長:だめだな、へばりきっている。
主:部長、いくら天才だからって。バカにしてばっかいるとモンブランにしますよ。
部長:おお怖www
(千歳飴が宇宙人に意識を乗っ取られる音)
デブ:なに! モンブラン! 甘きマロンのかほりの素晴らしいあのもんぶらんでありますか!(はすはす)
部長:怖っ!
主:暑さで壊れたか。正気に戻れぇ布団アターック!
(ひょいっとかわされる音、ずしゃあと地面に転ぶ音)
主:こらぁ、かわすなよぉ
デブ:あれは拙僧がUMAだった頃……
主:あ、あれ?
デブ:そう、拙僧はもんぶらんを食べていてペットのツチノコを逃がしてしまったのです……。
フラ:な、なんかおかしいでーす
部長:もしや本当にUFO!?
(ツチノコが飛び出す音)
フラ:nooooo!
主:ツチノコだあああ
部長:なんで俺の髪の中から!?
主:実績―! 一億! 一億! 一億!
(ずしゃあと地面に転ぶ音)
ツチノコ:? やめてよ、照れるじゃない。そんなに見つめないでぇ♡
フラ:Quel horrible! C’est un serpent!
主:なんだって? おい、逃げるなよぉ!
部長:なんて恐ろしい! 蛇だ! って言ってた。
主:そういえばあいつフランス人だった……
デブ:なに、拙僧のペットが蛇だと! 許せん!
(地鳴りのような音)(UFOが落ちてくる)
主:うーわー
部長:さては疲れてるね!? 逃げるよ、キミの布団を担架にして!
主:ハッ! お、おい千歳飴ぇ! 重いなぁ!
デブ:問題ありませーん! これはぁ、愛情の裏返しによるキュートでポップなジェノサイドなのだぁ!
主:壊れたあああ
フラ:わああああ
主:イケメン無事だったかぁ! 手伝えぇ
フラ:はいいいい
部長:ダメだ、伏せろー!
(UFO墜落、爆発音)
みんな:うわああああー!!
ツチノコ:焦げちゃうううう
(ツチノコが爆風ですっ飛んでいく音)
教頭:だらけ部、この山にいるそうですが首尾は……ん?
ツチノコ:きゃー
教頭:黒ツチノコ!? ぎゃっ
(衝突音)
主:実績! 実績!
部長:こら布団、やめなさいってば。爆発で焦げて飛んでってきらーんと星になったツチノコを探すなんて
フラ:爆発オチなんてサイテーでーす
主:実績だ! 実績がないと……
デブ:うーん、俺は一体……?
フラ:起きましたね! 布団を止めるです!
デブ:ほいきた。あーんぱーん(のようにふっくらした手で)パーンチ!
(ぽこっと叩かれる音)
主:いてて
デブ:だいじょぶ?
主:千歳飴……正気に戻ったんだな
部長:今日が何日か言えるか?
デブ:八日ですよね?
主:いや八日だろ。何年生だお前。
デブ:一年生っす。
フラ:自分もっす先輩。
主:真面目に答えなくてもよろしい。それより、ツチノコはどこだ?
部長:まだ言ってるのかい。実績なら墜落したUFOだけで十分……
(遠くからツチノコの「きゃー」、衝突音、教頭の「ぎゃっ」が聞こえてくる)
デブ:ん?
主:行ってみよう!
(タッタッタッと走る音四人分)
(きらーんと光る音)
主:こっちだぁ、なんか光ったぞぉ
部長:はっ、この光はまさか
フラ:暗黒の右目と悪魔の左腕がやられる光か!
デブ:ぎゃー!
主:お前ら厨二病かよ。
部長:違うよ。みんな、前、前……。
みんな:へ?
教頭:あ……。
主:あ、教頭せんせえ。カツラ取れちゃったんすね
デブ:あ、カツラこっちに引っかかってますよ先生
フラ:ぴかぴかでーす
教頭:お……
主:……お?
教頭:お前ら、廃部だー!
みんな:えーっ!!
あれまあ、だらけ部……いえ、オカルト研究部、でしたっけ? 廃部になっちゃいましたねぇ。ツチノコ発見と宇宙人(?)との遭遇、いっぺんに果たしたのに。
なになに、なんでしょうみなさん。教頭先生の権限がいくら強くても、さすがにその実績があれば存続させてもらえるはずだって? いやあ、世の中そんなに甘くないんですよ~。
オカルトといえばUMA、UMAといえばメン・イン・ブラック! あの後、墜落したUFOとツチノコは何者かに回収されてしまったんです~!
と、いうわけでだらけ部は解散。
しかぁし! 曲者ぞろいの元だらけ部メンバーたちは、まただらけ部屋を手に入れるために始動するようですよ!
今はしばしの幕間の時。それでは皆様、また元だらけ部員たちと会える日をお楽しみに!
さよーならー!