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毒の川
お風呂に沈んでぶくぶくした
夕立を降らせる黒い雲みたいなのが
口のもっと奥から吹き上がって
しね、が発せられた
タイルが完璧に密接する風呂場なのに
それは反響しなかった
でも、ばあちゃんは青い頬で
風呂から出たばかりの私の
頭をこれでもかと撫でた
体の湯気は一斉に体内へ逃げ込んで
私の一か所にまた、溜まる
それから私は湯舟に浸からなくなった
シャワーを全開にして
夕立のような冷水を浴びる
そしてお湯を地面に流して
出る
だけどやっぱり頭を撫でられるから
湧きだしていなかった湯気が
湧きだして、泣いたりする