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植物園に立つ植物
いつも植物園にいる夢を見る
夢といっても覚めるわけではない
私のからだも植物
まっすぐ遠くまで進める道や
枝分かれした未踏の地へ
一歩も歩く事は出来ない
目の前の沢山のモノ
風は吹かないけれど葉っぱが揺れる
鳥は見えないけれど囀りは在る
ルービックキューブの色の空
しかし
微動だにしないであろう私の影は
俯けないので一切見られない
全ての関節が動いた頃は
一般的な妄想をしていた
女のもちのようなほっぺたを
唾液の指でこねるような
そもそも夢だと言っているが
夢ではないのだろうと
矛盾したことばかりを
ただ妄想している
足りないものが有るから
瞼を閉じて
足りないものを
きちんと数えなさいと
今教えられているのか
妄想を重ねていて
爪を噛むくせが
どうしても直らなかった
爪が綺麗になっても
爪を見ることが出来ない
そういう事実とかを
罪の妄想に還元して
私を慰めることも
既に飽きているから
ただ植物の揺れ方を
揺れていると認識しなくなるまで
揺れているところを見ていたら
いつの間にか心臓が止まっていて
私は罰から逃れたけれど
生まれ変わることはなかった