亡者
この世界において、自分に価値を見い出せない者は死なないってことになってる。
…いや、実際に言や死ねないのさ。
ん?自殺ができないのかって?まぁ、話を聞けよ。
この世界じゃあ普通のことなんだ。お前さんもじきに慣れるさ。
そうだな…この世界には、三度の大きな転機があったと言われている。
そのことから、話してやるとしようか。
* * *
まず、この世界はお前さんのいた世界の、いわゆる”並行世界”ってぇやつだ。
ちょいと法則が違って、世界のあり方が違うが…まぁ、根本的なのは一緒だと思ってくれりゃあいい。
なんなら魔法もありゃ宇宙船もあるぜ?ほれ、あの上を見てみろ。
な?見えるだろ。あの、馬鹿でけぇ彗星型宇宙艇が。
あいつはな、人類が初めて月へ行った…なんだって言ったか。なんちゃら11号っての?あれを開発したやつのライバルが考案したんだとよ。
まぁ、そいつは作る前にあれを考えついたって偉業に自分の価値を見出して消えちまったがな。
ん?あぁ、いや、今はそんな話じゃあなかったな。世界の変動の話だ。
まず、一つ目の変動は人類の変質…まぁ、これがいわゆる”死ねない”って話に繋がるわけだが…あぁ、そんなに急かさなくったって話してやるさ。
とりあえず、なんでそうなったか、どうしてこんな風に変わったのか、そいつは未だにわからねぇらしいってのを念頭において聞いてくれや。いやなに、毎回「どうして」だの、「なんで」だの、聞かれるのが面倒なのさ。そいつがわかりゃ、俺だってとうに死んでるよ。
まぁ、タチの悪い冗談だとでも思って聞いてくれや。
まずな、人があるとき突然歳をとらなくなっちまったんだとよ。
いつ頃の話だったかね。化けもんだ、妖もんだ、悪魔だなんだと…まぁ、騒ぎ立てられてたからな。あいつは確かそういう風な時代の頃の話だ。江戸とかだったか?中世?まぁ、その辺のことだったはずだ。
え?はっきりしないって?そりゃあ仕方がねぇもんだ。なにせもう、何千年も前の話なんざ覚えちゃあいねぇだろう?お前さんたちが子供の頃のことをよく覚えてねぇようなもんだよ。
とにかく、その頃の話だ。
なんでも、今の学者が言うにゃ、「その人物が最も自らに価値を見出す年齢」ってやつで止まるらしい。
あぁ、この世界じゃ見た目で人を判断なんざしねぇ方が身のためだぞ。なにせ、ガキみてぇな外見の老人が沸くほどいやがる。いわゆる、”永遠の17歳”ってやつだ。笑っちまうだろう?
まぁ、そんな風に人が変わっちまったんだよ。
そいつが、一度目の転機だ。
そのおかげで人は今こんな風にして生きてるんだからな。まぁ、昔のジジィやらババァにゃ羨ましい話かもしれんが、ここで生きる奴らにとっちゃたまったもんじゃあないのさ。おかげで人は自分に価値を見出せなきゃ死ねなくなったんだからな。
そうだな…満足した一生を迎えることに生き切ったと自分の価値を認めて消える奴もいりゃ、発明をして自分が価値ある人間だと思って消える奴もいる。あぁ、女には自分の子が無事に死ねると自分が子を育てることのできる価値のある奴だと思って消える奴もいるらしいね。
まぁ、とにかくだ。人は自分自身になにかしら価値を見出さなきゃ死ななくなったのさ。それが一度目の変動ってやつだ。
まぁ、だが、一番小さな機転と言っても間違いじゃあねぇだろうよ。
ん?あぁそうよ、これで一番小せぇんだ。なにせ、まだ人だけなんだからな。次のはもっと大きいさ。
次のは起こったのは、そうだな…確か、ガキの生まれる数が減って老人が…まぁっても見た目だけ言やあ若者だのガキはわんさかいるが、まぁ、とりあえず”少子高齢化社会”なんつうもんが流行りだした頃の話だよ。
その頃にもなりゃ世界の資源なんざとうに掘り尽くしててだな、人のやれるもんってのに限界が見えてきたのさ。
ん?あぁ、そうそう。ちょうど、あんたが今まで生きてた世界の何十年だか何百年だか先の話って頃だな。いやぁ、あの頃は相当苦労したもんさ。なにせ、人は死ななくなっちまったんだ。
飲まず食わずでも死にゃあしない。そもそも何にもしなくたって生きてるのさ。まるで植物みたいなもんよ。その頃は”草食系”なんてのが流行ったっけねぇ。何にもしねぇ”植物状態”…って言ったか?あれのみたいになっちまうのさ。動きもしねぇ、ただのものみたいだったねぇ。植物通り越してありゃ青木もんだったと俺は思ってるくらいよ。
あぁ、あの頃はその逆にテロやら何やらと暴走するのもいたっけねぇ。まぁ、肉片にでもなれりゃ良かったのかもしれねぇが、この世界じゃあ一定以上の怪我は負えねぇんだ。まるでゲームか何かみたいにな、切り傷やら擦り傷っぽい跡やら血が流れるだとかはあるんだが、人体が元の形から変わるような怪我は負えねぇのさ。あぁいや、今はこんな話は置いておこう。
まぁ、とにかくだ。そんな風に、人が死なないだけの何かになり下がっちまったのを神ってのが見過ごせなかったのかね。それがしばらく続いた…そうだな、やけにいい天気な日だったなんてよく表現されるんだが…確かありゃ春先のことだったかね。
世界が繋がるようになったのさ。
あぁ、そうそう。ちょうどお前さんが落っこってきたみてぇに”別の世界”と”ここ”とが繋がっちまうようになったのさ。
まぁ、初めの頃は大したことじゃねぇと、今更みてぇに大概のやつらは諦めてたさ。
なにせ、その頃は特に人が死ななくなってきててだな、もうこの惑星の人の住める場所は限界なんじゃねぇのかってくらい人に溢れてたのさ。そこに今更ちょっと変化が起きようが、人の波に流されてお終いよ。
え?どのくらい人がいたのか知りたいってのかい?
じゃあそうだな、今お前さんが座ってる場所…あぁ、ちょうどそのあたりよ。そこから壁が見えるかい?
まぁ、見えるだろうね。それがその頃の家だよ。大きさで言うと大体三畳ってところかね?その位の箱でできた家が、所狭しと積まれた街を形成してたのさ。そいつはその頃の遺跡だよ。なに、今はそんな狭い中に押し込められなくったって生きていけるさ。そんな心配そうな顔を浮かべなさんな。
ほら、話を戻すよ。
ともかく、世界が繋がるようになったんだ。まぁ、それだけならまだ問題はなかったかもしれないんだが、その中に一人…いやむしろ一匹か?いや、まぁそんなことはどっちでもかまいやしないか。とにかく、いわゆる”やばいやつ”ってのが混じっててな、それから百年ほど世界中を恐怖のどん底に叩き落としたもんさ。なにせ、その男は地上の大地を削って喰ってやがったんだからな。
なんだい、その顔は?あぁ、この後のことが想像できたって言いたいのかい?まぁ、お前さんたちの世界じゃあよくある物語の一つなんだってね。まぁ、そう言うことだよ。その怪物を倒すためにいろんなことをして、あるとき別の世界から落っこちてきた”魔法”って奴を見つけたのさ。
ん?でも死なないのになんでわざわざ頑張って倒そうなんて思ったのかって?そりゃあそうさ。俺たちだって、ただでさえ気分の悪い生活をこれ以上悪化させて欲しくはなかったからね。
まぁ、そんなわけでそれから色々とあって世界はまたちょっと豊かになったんだよ。
色々が何かって?そんなもん俺が知るわけがねぇだろうよ。なにせ、世界中で行われてたもんだ。俺がその全てを監視するなんざ馬鹿らしいったらありゃしないだろう。
ともかく色々は色々さ。
その結果、世界はまた資源を手に入れて、研究だの開発だの、世界の発展だのが進むようになったわけだ。まぁ、停滞してたのが進むってだけでも人は随分”死んだ”がね。
そいつが二つ目の転機だよ。
この世界が普通のもんとは違く、かけ離れた何かに変わっていったのさ。
あとは早いもんだったよ。どんどん”ファンタジー”って言うのかい?お前さんたちがそんな風に呼ぶような世界に傾いていったんだ。
ま、それも一時的なもんだったけどねぇ。
なにせ、人はバカみたいにいたもんだ。そんだけいりゃ、”SF”も”ファンタジー”も流行るもんだよ。おかげでなんだかようわからん世界になったよ。ごちゃごちゃと…なんてんだい?カオスなんつうものになったのさ。おかげ様で世界中でばったばった人が死んでったがね。
いやぁ、あれはありがたかったもんだよ。
ん?縁起が悪い?バカ言っちゃあいけねぇ。この世界じゃ、死ぬのは幸福なことさ。なにせ、自分に価値があると思って消えてくんだ。価値ある人間になれたって証明さ。立派に一人前になったって親も胸を張れるってもんよ。
あぁ、話が逸れたね。
ともかく、そんな風に世界が変わったのさ。こいつが二つ目の変動だよ。
なんだいその妙な顔は?ん?あぁ、やばいやつってのがそれだけだったのかって?無論そんなわきゃねぇだろうよ。ほれ、空の向こうのほう…あぁ、そっちの先さ。ほれ、望遠鏡を貸してやろう。見えるだろう?あいつはお前さんたちが言うドラゴンさ。今日は天気がいいからねぇ、あいつらもご機嫌ってわけだ。ほら、火ぃ吹いてる。
今じゃあだいぶ世界の一部として溶け込んでるんだよ。人っていうのは慣れる生き物なのさ。
疑問は解決したかい?話を進めさせてもらうよ?
これからが一番重要なのさ。お前さんにとって一番大事なことなんだ。話を進めにゃいけない。
え?冗談だと思って聞いてくれって言ってたじゃないか?大事なことってなんだよって?
あぁ、まぁこんな話信じろったって信じやしねぇだろうからね。なにせ、お前さんは普通の世界に生きてきたんだ。今までのは軽いお勉強ってやつさ。これから話すことのための土台部分ってわけよ。
まぁ、お前さんみたいな”流れもん”には話すって俺の雇い主との約束になってんだ。堪忍してくれや?な?
そうだ、いい子だ。俺は物分かりのいいやつは好きだよ。
さぁ、続きを聞いとくれ。
いいかい?こっからが重要なんだ。お前さんがこれから生きてくのにいっちばん重要な話さ。
三度目の転機の話だよ。
まぁ、そうやって世界が変わっちまってからというもの、随分と時間が経った。
いい加減、人類ってやつも学習したのさ。
”そうだ、もっとみんなが死ねるような世界にしよう”ってな?
何も今更になってそういう考えが出てきたってわけじゃあないが、ようやく本腰を入れて動き出したっていうところなんだよ。バカだねぇ、本当に。
ん?それで何をしたのかって?まぁ、わかりやすく説明してやるよ。順番に話すからね。
まずは、住み分けを始めたんだよ。ほら、お前さんたちの世界にもいるだろう?SFな世界だとかファンタジーな世界に憧れるようなやつは。そういうやつはそういう世界に、普通の世界に生きたいやつは普通の世界にってね。
まぁ、過分な願望だとか、要望を言うやつだっているが、そういうやつはその分長く生きりゃあいいってのがこの世界の方針でねぇ。昔と変わらねぇっちゃあそうなんだが、最低限度の努力ってのは必要さ。どの世界でも一緒だよ。
ほら、例えばちやほやされてぇって言うやつはその分長々勉強するなり何なりすりゃあいいのさ。ま、無論それがうまくいくとは限りゃしないし、それで自分に価値を見出せるとも言い切れないわけだがね。
まぁ、どっかの研究家が言うにゃ、「好きなことを好きなようにしやすくなった」ってことらしいね。
そのおかげで俺もこうやって仕事の斡旋みてぇなことをやらされてるわけだがね。
ん?俺の仕事かい?まぁ、このあと話す話なんだ。ちょいと待っとくれや。
そんで、この世界が住み分けを始めようって結果、問題が起こったのさ。
”じゃあ、誰がその住み分けの配分やら何やらを管理するんだ?”ってな具合でね。
そいでふと誰かがやるって言い出したんだよ。「じゃあ、ギルドを作ろう」ってな。あぁ、あいつは良いやつだった。そんな、面倒なことを自分からやってくれるなんて言い出してくれたもんさ。ありがたかったねぇ。今じゃあ、教科書の顔だよ。
おっと、話が逸れちまったね。
まぁ、そんなわけでギルドってのが出来上がったわけさ。あぁ、多分お前さんはラノベだとか漫画だの何だのの酒場だとかを想像したのかもしれないが、こいつはそんな適当なもんじゃあないよ。あれは一種の研究所ってやつだよ。どう言う人間がどう言うことに価値を感じて死んでいったかを記録し、それを利用してより早く人が死ねるように観測と追求を重ねてる…まぁ、変人の集団みたいなもんだよ。あそこにゃ二度と入りたくも近づきたくもないね。
あそこは世界の裏側だよ。見たくない現実ってもんを見る羽目になるぜ?
ん?あぁ、そうだったな。で、そのギルドってのに登録すりゃ、取り敢えずの生活場所と生活資金とかが貰えるのさ。え?ここに来るまでの説明が長いって?じゃあ、そこに連れてくだけ連れてってやりゃあよかったかい?あそこのやつらは不親切で有名だからな。
金とルールブックを渡されて、住所だけ教えられてあとはおさらばさ。お役所仕事だからねぇ。金払いがいいってだけで窓口やってるやつが多いのさ。そのせいでころころと中のやつが変わるから仕事内容も微塵も改善されやしない。だからもっとどうにかしろってあんだけ言ったんだがなぁ…
あぁ、すまないね。何年も働いてるもんだからつい愚痴が溜まるのさ。何年かに一度しかない何も知らない会話相手なんだ、ちょいとくらいは目をつぶってくれや。
ま、取り敢えずはそう言う住み分けが行われるようになって、その次は何をして生きるかって話になるわけだ。まぁ、そうは言っても超能力で世界の人々を助けながら生きたいだとか、魔王を倒す勇者になりたいだとかってのは難しい。いくら別の世界のものが落っこちてきたってもな。
でも、そこまでじゃあなけりゃ割と叶うようになったのさ。魔法使いになりたい?いいとも。超最先端機器に囲まれて研究がしたい?あぁ、いいともさ。
大概のことは叶うようになったんだよ。さっき見えただろう?宇宙船なんてもんだってあるんだ。お前さんも好きにやりたいことを見つけてやってみると良いさ。
ん?じゃあオススメは何かって?なに、案外死ぬまでにゃ結構な数の経験ができるもんよ。端から試していこうなんて輩もいるくらいだからね。とりあえずやってみたいもんをやってみりゃあ良いのさ。気になるものをやるってのをオススメするよ。
まぁ、こんなのが三度目の変動だ。
そうやってできた世界が今の世界だってわけだ。
まぁ、ある意味では一番でかい変動かもしれねぇな。なにせ、今生きる全てのやつに関係ある話さ。
色々と変わっちまったが、生きやすくはなったとは思うぜ?生活にもあんま困りゃあしねぇしな。
あぁ、だが、それでもやっぱり金ってのは必要にはなる。やりたいことだけやってたって、じゃあ見えないもんを全部自動で済ませられてるってわけじゃあねぇからな。どうしてもそういう労働者を雇うため、その対価の金っていうもんが必要なのさ。世界ってもんは人の好き勝手だけで制御しきれるほどうまくできてやしねぇのさ。
例えば、いくら資源がちょいと豊かに戻ったとはいえど、そいつを掘る人間がいなきゃあ誰も使えやしないからねぇ。働くってのは、やっぱり幾らかは必要になるもんなのよ。
ま、それもそれを嫌がったやつがそれをするための機械だのを作ったおかげで減りつつはあるがね。あぁ、そいつを作るために自分に価値を見出して死んだ奴がぎょうさんいたから、ありゃあ良い事業だったと思うぜ?
ん?あぁ、じゃあ何して働くのかって?そりゃあもちろん、普通の仕事さ。コンビニのバイトもありゃ企業での事務仕事もあるし、ファンタジーな世界にゃ魔物を狩る仕事なんてのもある。
いっくら死ぬために生きてるったって最低限人の必要な仕事ってのは残るもんさ。それにそういう仕事をするのに価値を見出して死ぬようなやつも一定数はいるくれぇだ。仕事ってのは消えやしないよ。
あぁ、あとはこいつが最後の話になるかね。
こんなんになった世界だが、お前さんのいた世界とあんま変わりゃしないんだ。
こっちに落っこちて来たやつでたまにいるのさ。”向こうとは違う世界だ”ってはっちゃけちまう輩がな。
向こうとは確かに違う部分は結構ありはする。でも、この世界に住む人間もお前さんたちのとこに住む人間とあんま変わりゃしないってのは知っておいて欲しいのさ。
ストレスがたまりゃ怒るし、ひどいことされりゃ恨みも悲しみもするんだ。
この世界の恨みっつうもんは怖いぜ?なにせどんだけひどい目に遭わされようとも死にゃあしないんだ。まぁ、何されるかは言わないでおくがね。
あぁ、あそこがそのギルドさ。あとは向こうの指示に従えばそれで手続きしてくれるよ。
ま、とりあえず元気でやってくれや。
大概お前さんみたいに落っこちて来たやつだってこの世界にも慣れて生きていける。まぁ、無責任な言い方かもしれねぇけどな。
ん?不安だって?
なに、大丈夫さ。お前さんならうまくやれるよ。
その自信はどっから来るのか?そいつは経験ってやつからさ。お前さんみたいなやつはぎょうさん見て来たよ。どんなに自信がなくったって最後にゃちゃんと死ねる。安心しな。
え?あぁ、お礼なんて構わないよ。どうせ俺のことなんざすぐどうでもよくなるくらい忙しくなるさ。面倒な恩義なんざ感じなくったっていいさ。俺も仕事でやってるんだからな。
さぁ、もう行きな。
ほら、元気でやるんだよ。若いんだから、お前さんの未来は可能性で満ちてるんだからね。
* * *
お前さんみたいに落っこちて来て昔に見送った青年は今や超有名人になってるよ。
ん?あぁ、ごめんよ、話が逸れたね。
で、どこまで話したんだっけ?あぁ、そうだった。
それが、大体千年くらい前の話さ。
それからさらに今は変わってな。
え?俺はいつからこうやって案内人やってるんだ?
そりゃあ、こいつは俺だけの仕事だからねぇ。ギルドができた頃からずっとそうやってしてるよ。
ん?じゃあいつから生きてるのかって?さぁねぇ…でも確か、俺のばあちゃんは寿命でおっ死んだっけね。