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第十二話 にんげん
「にんげん」
少女はそう言った。
「にんげん?」
「そう。にんげん。だけど、けっこう機械」
少女は再び箱をのぞき込んだ。
「ちょっと見せてよ」
少女の肩を叩いて、少年はねだる。
「いいよ」
言って、少女は物体から体を離す。
「あ、花」
少女の頭の上にはさっきの赤い花の花びらが乗っかっている。
少年はその花びらを摘まんだ。
「お、気がつかなかった。ありがと」
「どういたしまして」
返事をして、少年は物体の中を覗き込む。
一面の小さな赤い花。
花畑にいるかのような気分になるほどの花がそこにはあった。
「綺麗だ」
思わず呟く少年。
「そうでしょ」
得意げに返す少女。
「そして、にんげんはどの辺にいるの?」
「まんなかの辺りの花をどけるといるよ」
言われたとおりに少年は花をのける。
一本、二本のけた辺りで、顔が見えた。
赤い髪、赤い服だから気が付かなかったが、よく見るとすでに体の大部分がその姿を現していた。
小さな女の子だった。
少女よりも年齢は低いだろう。
右腕と、胴体の一部は機械置換されていた。
その他の部分も、ちらほらと金属が露出している。
「死んでる?」
少年が聞くと、少女は迷いなく答えた。
「死んでそう」




