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終末世壊と立方体  作者: まっしろ委員会(黒)
記録:ふつかめ
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第二十三話 やくそく

「……なあ、腹へったんだけど」


 何もない虚空へと少年がつぶやく。

 最初こそ少女のほうを向いていたが、こくん――こくん――と頭を定期的に上下させる少女を見て、視線をずらした。


「……ん、ぁし――た、ね?」


 途切れ途切れの少女の声を聞いて、昼も夜も食ってないだろ……とこぼす。

 今までにもこういったことはあり、慣れたらしい。それ以上の言葉は何も言わなかった。


「まあ良いや、日記どうする?」


 日記、という言葉で定期的に動いていた首が停止する。


「やる」


 短く声を漏らして、カバンを漁り始める。

 寝袋をぽいっ、と少年のほうに投げてからもう一度ごそごそする。


 その間に少年は寝袋を敷く。

 流れるようにその中へと入った。


 しばらくして、少女はノートを取り出した。

 ばーん、と小さめに効果音を自前で口ずさみつつノートを地面に置いて自分も寝そべる。


 重くはないが羽のように軽いわけでもない、そんな体重が少年に乗っかった。


「重い」


「しつれー、な」


 ぷくっと頬を膨らませる少女に、少年は笑みをこぼす。


「んじゃ、書いといてね。――おやすみ」


「ん、おやすみ」



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