第二十二話 めぐる
「眠そうだし、そろそろ寝ることろ探そっか」
あくびの頻度が上がってきた少女を見て、少年がそう提案した。
「……うん」
くっ――とあくびを堪え、一拍おいてから弱々しく頷く。
それと共に瞳に溜まる雫を、人差し指で取り除いた。
「……あ、かなりやばそうだな」
少年が顔をひきつらせてそうこぼす程度に、少女は眠そうにしていた。
たまにつまづいて倒れかけたり、眠そうに目を閉じて倒れたビルの角に衝突しかけたり。
「とりあえず、風だけ凌げるところを……」
「……まわり、あぶないから。きょう、ここで、寝よ?」
ぽすん、と座り込みコンクリートの黒いアスファルトを叩いて少女は呟く。
周囲のビルはは大抵倒れたり潰れたりしていた。
辛うじて残っているわずかなそれも、ガラスが割れている。
なかにはいれば確実に怪我をするだろう。
仕方ないか、と少年はあたりを見回して危険がないか確認する。
「……ん? ここもしかして」
ビルの中、ぽっかり空いた場所。
黒いアスファルト。
「やっぱり、昼来た場所か」
いいから寝袋敷くよ、と少女がつぶやく。
「ん、了解……あ、水零したところ乾いてるな」
昨日も書きましたがもう一度!
作家の味方のらぴさんに本作品がまとめられました!
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