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カコノキオク 5
「……あ、光?」
進む先、遠い遠い奥に光が見える。
そんな気がして少女が突然言った。
「ん? ……ごめん、わかんない」
目を細くしてみるが、見えなかったらしく少年は首をかしげる。
歩く。
昇る。
進む。
「あ、やっぱり光だ!」
確信と喜びをいつもの声に混ぜ、少女が叫んだ。
まだ少年は首をかしげている。
「おかしくなったか?」
軽くいってみるが――
「―――の目がおかしくなってるんじゃないの?」
即座にそう返された。
「確かに言われてみれば光を感じないでもないけど……気のせいじゃない?」
「気のせいじゃないから! 昨日の
元気はどこにいったのさ! 早く来ないと置いてくよ!」
そう言うと階段の上へ二段飛ばしで駆け上がっていく。
少年はやれやれと肩を竦め、それから少女を急いで追いかけた。




