表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は厳しいようです  作者: lithium
1/5

願望と希望と終わり

 俺の名前は下田桜。市内の中堅高校2年生で、成績も中の中の普通の高校生だ。趣味は読書。去年友人にライトノベルを勧められて、今では沼にはまっている。特に異世界転生系のものを読んでいて、日常生活でも転生を期待している。異世界転生系のラノベは主人公が色々な意味で強いからだ。異世界に行けば、今の退屈な日々を抜け出せるし、更にいい生活を送れる。こんないいことはないだろう。ただ一つだけ懸念していることがある。それは、異世界転生の手段は大抵「死」であるからだ。この世界にも未練は少しあるし、死ぬのは怖い。だから今は、外的要因で死ぬのを待っているだけだ。


 「転生したらどんな能力が使えるかなぁ」

ラノベの挿絵を眺めながら呟く。因みに今読んでいる作品の能力は、「テレポート」だ。主人公がテレポートを活用して世界を救っている。地震が起きたら津波が来る前に安全な場所にテレポートさせるみたいな。

「魔法が使えたら最高だな」

魔法はだれしもの憧れである。大抵の異世界物はみんな魔法が使える。みんなできるんだったら俺にだってできるだろう。使うなら後方支援系かな。後方支援ってなんかかっこいい。

 なぜ俺がこんなにも異世界に行けることを信じているか。それは、つい先日異世界に転生した人間がいたからだ。これで実際に異世界があることが証明された。あるなら行くしかない。こんな現実より、異世界での世界の方が楽しい筈だ。悪を倒してもいいし、ハーレムを作って楽しく過ごすのもいい。取り敢えず、行くことは決意した。ならば行くまで。

 「またラノベ読んでるな」

声をかけてきたのは、同じクラスの森葵だ。趣味が近いということで最近意気投合した。彼女はアニメ派の人間である。彼女の対象は専らアニメで、ラノベもアニメ化したものしか読んでいない。

「葵か。いいだろ?何読んでたって」

「まぁ、そうだけどさ」

「そういえば葵は、異世界転生が可能なこと知ってる?」

「あーあれね。正直信じてはいないけど」

「そうなんだ。でも、異世界が存在するってワクワクしない?」

「うーん。ハイリスクなんだよね。異世界に行こうとして自殺して失敗した人も多いって聞くし」

「そうだけどさ、少しでも可能性があるなら期待はするよ?」

「私は現実で、疑似的に異世界を見る方がいいかな。失敗したらアニメ観れなくなるし」

「そうか…ラノベ読めなくなるのか」

「そうだよ。持ってけるわけじゃないし」

「でも、ラノベの世界観を実際に感じられるんだよ?」

「同じ作品ばっか読んでたら飽きるでしょ?ずっと楽しめている保障はないよ?」

「いい作品は、飽きが来ないからいい作品なんだ。それに飽きるかどうかは結局自分次第でしょ?失敗とかするかもって思って逃げてたら何もできないよ」

 葵はふと外を見る。それに釣られて俺も外を眺める。もう空は朱に染まり始めていて、運動部が何かの準備をしている。季節は初冬。もう羽織るものがないと寒くて凍えるくらいの気温である。これから寒い中を歩いて帰ると思うと体が震えてしまうが、これ以上学校にい続けるのも野暮なので帰ることにした。

「葵は塾?」

「今日は入ってないな」

「暇だから一緒に帰るか」

「なんか恋人同士みたいであれだな…まぁいいや。駄弁りながら帰ろう」

恋人同士みたいと言われ軽く落ち込んでしまったが、一人で帰るよりはましだろう。


 「桜は結局異世界に行きたいの?」

「行けるのなら行きたいかな。こっちの世界より楽しそう」

「楽しそう…か。そんなに現実が楽しくないの?」

「そういうわけでもないよ」

実際のところ、現実世界も満喫してしまっている。異世界が必ず現実世界と乖離している保障だってない。現実世界と少しだけ違う世界なのかもしれない。でも、楽しめないってこともないだろう。そこの世界を楽しめるのかどうかは、世界によってではなく自分次第なのだからだ。だから今どうこう言うのは意味のない行為である。

「へー。意外」

今日の彼女はなんだかおかしい。いつもはもっと楽しそうにしゃべってるのに。

 「ちょっと桜っ!」

この作品は、筆者が異世界系小説を書きたかったので書いたものです。

タイトルからお察しの通り、厳しいです。

初めての分野なので、色々と変なところがあります。ご容赦ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ