つらいならこの手をつかめ【キリット】「ゆるしてつかぁさい出来心だったんです。」
目を開けると今までいた路地裏ではなく王城の近くにいた。
恐らくは、少女が使ったのは転移系の魔法だろう。
少女は俺に疑問を投げかけてきた。
「何で揉め事に巻き込まれにきたの?」
まぁ確かにそうなんだか、
ダンテは困ったように頬をかいた。
「まぁ理由は色々あったと思うけど……女の子が泣いて助けを求めていたからかな?」
少女は俺の発言に目を丸くすると可愛らしく笑った。
「あっそうだ!ボクの名前を言わなきゃ、ボクの名前は【ストッォオプー】」
少女は何故止められたのか分からず少し驚いた顔をした。
「多分君は話してた内容から推測するに、身分の高い家柄なんだろ?なら今日ぐらいはそのしがらみからも解放されようよ。」
俺の言葉を聞き少女は泣き出した。
しかしその涙は先程までのものとは違っていた。
少女が泣き止んだあと俺は少女の手をとりこう言った。
「今日は俺と一緒にデートしてくれませんか?お嬢様」
※後のダンテはこう語った。
「黒歴史確定の発言です。」
「はいっ」
少女は誰もが振り向くような笑みを俺だけに向けそう言った。
・・・
町は勇者が現れたことで活気に満ちお祭り騒ぎになっていた。
どうやら勇者については数世紀前の遺産の電話を魔法を用い改良したもので主だった場所に連絡していたようだ。
「ボクこんなに人がいる場所に来たのははじめてだよ!」
「お嬢様はあまり外に出歩かないのでしょうか?」
「もう、その口調はよしてよ。」
少女は頬を膨らまし拗ねたようにそう言った。
「分かった分かった。」
「それじゃあ今まで外に出歩かなかった分今日は色々見てまわるぞ!」
「うん!」
その後俺達は2人で店をまわっていった。
彼女ははじめて見るものが多かったようで、
興味津々で店をまわり俺に疑問に感じたことを質問したりしていた。
少女は終始笑顔のように見えたが、何か悲しみを背負っていることをダンテは察していた。
楽しい時間はすぐに過ぎ去っていく。
次第に辺りは暗くなっていき、別れの時間が近づいていることがひしひしと伝わってきた。
すると、少女はダンテに向かって自分の胸の内を独白した。
「ボクね、詳しくはいえないんだけどまぁ貴族のような家柄なんだ。お父さんが今まで家の主だったんだけど、死んでしまったんだよ。それまでボクの事なんか興味なかった人達が権力争いのためにボクに近づいてくるんだ。笑っちゃうだろ!」
少女は嗚咽をもらしながら続けてダンテに語り出した。
「誰もボク個人については一切興味がなくてお父さんの子供としてしか、評価されなかった。誰もボク自身については見向きもしない。ボクの存在を肯定してくれるような人は一人もいなかった。つらかったんだ一人は。誰にも言えなかったけど、誰かに側にいて欲しかったんだ。ボクを一人の人として見て欲しかった!!」
少女の嘘偽りない言葉に対しダンテは正直に自分の気持ちを伝えることにした。
「全世界の人間が君のことを憎もうと、否定しようと俺は、俺だけは信じてやる!本当につらいときはずっと側にいてやる。」
それだけでは少女の心を覆う殻には傷がつけられない。
「でもボクには価値なんてないんだ。自分の存在意義何て何もない。君みたいに誰かを助けられるような人でもない。ボクは空っぽなんだ。いきる理由もなにもかも。」
「なら、俺を支えてくれないか。友達としてさ。俺は君が思うような強い人間じゃない。すぐ傷つくし弱音も吐く。だからさどうしてもいきる理由が見つからないなら、友達として一緒にいてくれないか?」
ダンテは自分が思っていることを全て伝えた。
少女は涙を拭き顔をあげ、笑顔を俺に向けるとこう話した。
「しょうがないなぁ。ならボクがずっと君のことを支えてあげるよ!でもね、友達じゃなくて君のことが好きな女の子として。」
目の前で笑っていた少女は気づいたときには横にいた。
その瞬く間の間に残されたのは
頬に残る感触と「チュッ」という可愛らしい音だけだった。
「えっ?えっ、えっ……ええええぇぇ~っっ!!!!」
「もう何慌ててるのさ。もうそろそろお別れの時間なんだから最後に君の名前を教えてよ。」
ダンテは驚きながらも少女に自分の名前を教えた。
「だっダンテだ。」
「そうか~ダンテか。うん!言い名前だ!次に会うときには君に見合う女の子になるから覚悟しておいてよね!」
「愛してるよダンテ!また会おう!」
少女はその言葉を俺があげたブレスレットを大切に持ちながら言い、俺の前から去って行った。
ダンテはというとその場十分ほど立ち尽くしていた。
・・・
という事がありました。
ダンテは妹にすべてを包み隠さず話した。
「えっと……つまり一目惚れ?」
「えっと……はい。」
ダンテのその言葉を聞き終えたリッカは深く頷き後ろに倒れていった。
「リッカぁぁァァァアー」
王城ではダンテの叫び声がそれはそれは響いたという。
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