「おにいちゃん」と私 トラウマ〜多情恋愛side story
「トラウマ〜多情恋愛」は、その内容と表現ゆえにノークターンノベルズの方へ投稿させていただきました。そのあらすじ的な内容の一話読み切りです。
子供相手に一生懸命。
どっちが子供かわからないね。
私より3歳年上の「おにいちゃん」。
子供と遊ぶレクレーションサークルで出会った。
新しくサークルに入った私の指導担当として関わってくれた。
ただの先輩のはずだったけど。
サークルの帰りに、「おにいちゃん」の家へ寄るうちに「おにいちゃん」の両親やお兄さんとも親しくなった。
そして「おにいちゃん」自身とも。
私には、別に付き合っている彼がいた。
彼と初めてキスした次の日に、どうして「おにいちゃん」ともキスしてしまったんだろう。
誰もいない「おにいちゃん」の家で、急に抱き締められてキスされて。
抵抗は、きっとできないんじゃなくてしなかった。
「おにいちゃん」にも彼女がいたのに。
私にこんなことを言う。
「早くカレに抱かれろよ。」なんて。
だから、私は彼に抱かれた。初めてだった。
でもすぐに別れてしまった。
そしてまた、違う人と付き合いだした。
「おにいちゃん」とのキスを、深い意味にしたくなくて。
でも、「おにいちゃん」も彼女と別れてしまった。
それも、彼女は「おにいちゃん」の子供を宿したまま。
私の初体験と別離、「おにいちゃん」の彼女の妊娠と別離。
そんな事実が交錯する中で、私は「おにいちゃん」に抱かれてしまった。
抱かれたんじゃない。ただ、しただけなのかも。
触れられて、感じて、ただ欲しくて。
終わったら、何事もなかったように「おにいちゃん」の家へ寄る。
「お嫁さんにきてくれたら…。」なんて、「おにいちゃん」両親は言ったけど、そんなつもりはまったくなくて。
そのくせ、「妊娠したら結婚してやる。」なんて言う「おにいちゃん」。
私は、次の彼との付き合いを深めていたけれど、会うたびに抱かれるだけの付き合いにはうんざりしてきていた。
でも、身体は反応するから抱かれていた。
そんな付き合いが続くわけもなく、自然消滅したころ、「おにいちゃん」の元カノから手紙がきた。
「おにいちゃん」との間にできた子が生まれた。
そして彼女は別の人と結婚。
幸せそうだけど、「おにいちゃん」を幸せに出来なかったことを悔やんでた。
私にはまた、新しい彼がいて、楽しく付き合っていたけれど。
20歳のお祝いと言って、「おにいちゃん」と缶ビールで乾杯。
酔っぱらった私を、土砂降りの雨の中で抱き締めた。
元カノの子供が生まれたことを伝えた私を、何度も何度も抱いた「おにいちゃん」。
同じ抱かれるなら、愛されていたいなんて、心の片隅で思いながら。
その一方で、彼との付き合いは続いていく。
指輪もプレゼントしてくれた。
この人だけ、愛さなくちゃ…。
そんな決心は、「おにいちゃん」に新しい彼女ができたことで固まったはずだったのに。
久しぶりのサークルの帰り道、誰もいない「おにいちゃん」の家で無理矢理抱かれるのを拒めない。
家まで送ってもらったところで、キスされたのを彼に目撃され、そのまま連れて行かれた彼の家で、彼の双子の兄弟と交互に抱かれてしまう。
そのまま彼とも別れ、「おにいちゃん」とも会わず、ただ毎日を過ごしていた。
そんなある日。
「おにいちゃん」が、サークルのお金を使い込んでいることを知る。
このままにはできない。
「おにいちゃん」のお兄さんに連絡して、追及。
「おにいちゃん」は、お金を返して、サークルを辞めて、これで表面的には丸くおさまった。
私は、誰かと幸せに付き合うなんて出来ずにいたけれど。
就職活動で知り合った先輩に、すべてを打ち明けて受け入れてもらえた。
そんな先輩と付き合って、初めて抱かれて…、妊娠、結婚。
出産して幸せな暮らしの中、突然の知らせ。
「おにいちゃん」のおかあさんが倒れた。
家を出た「おにいちゃん」とは、連絡がつかないまま、息を引き取った。
葬儀が終わるころ、ようやく着いた「おにいちゃん」。
きっと好きだったんだ。
ずっと好きだったんだ。
でも、そばにはいられない。
ごめんなさい。
「おにいちゃん」に抱かれるのは、これが最後だろう。
抱かれた後に、打ち明けた。
結婚したこと。子供もいること。
もうきっと会わない。
さよなら。
私のお腹に宿った二人目の子供は、夫の子か、おにいちゃんの子供かわからないけど。
すべてを許して、受け入れてくれた夫に感謝しながら出産。
愛している。
「おにいちゃん」には届かない、届けない想いだから素直に言える。
愛している。
今そばにいていくれる、あなたに感謝します。
読んでいただいても、あらすじ過ぎて、なんのことやらわからない方もいらっしるでしょう。18歳以上の方は是非、ノークターンノベルズの方で、「トラウマ〜多情恋愛」を探して読んでくださいね。