復活。
「っ…うう…」
目を覚ますと、終の顔が目に入った。その顔は、心配と安堵が混ざったような顔だった。
「―大丈夫か」
「あ、うん…大丈夫」
僕がそう答えると、終の口元が少し上がった気がした。笑ったのだろうか。
「先程クレイから合流できるかもしれないと連絡が来た。取りあえずは其処に行こう」
終に続いて立ち上がる。…まだ頭が痛む。それを感じ取ったのか、終が手を掴んで引っ張ってくれた。
ここに先程のような罠は無いらしく、大松を付けていく。
「終…あれ…!」
僕の視界に入ったのは宝箱だった。其処に近づくと、鍵が必要なようで鍵穴が付いているのが分かる。いつ見つけたのか、終が鍵を使って空けた。そこには無限に出てくるらしいナイフケースと鞘があった。
(さっきまでは体に仕込んでストックして使ってたからな…助かるよ)
そう思って付けると、遠くでは無いがそれほど近くない場所に灯りが見えた。
「無事だったか」
こうして僕等は再度集結し、上に向かって行った。
『最上階』
らしき階段を登ると巨人がいた。僕が見た中では一番大きい。
「あれは聞いたことがあるぞ、ゴレムギライという奴だ」
と終が言ったそのとき、此方に気づいたゴレムギライが走ってきた。そのたびにズシンと地響きがなる。叫ぶ。
―さっきから響いていたのは此奴の声だったんだ…
そんな事を思いつつも攻撃を避けていく。
「…俺か」
標的は終らしい。四散すると真っ直ぐに終の方に向かっていった。
だが、終も弱くない。寧ろ強い男なのだ。刀を握るとかなりの早さで攻撃を避けて回り込んでいた。
「一閃!」
終がそう言ったとたんにゴレムギライの身体中に刀傷が入った。
「ウォーター・ミスト」
それを狙ったかのごとく、クレイが氷の粒で足を固定する。
「闘舞・ライジング!!」
先程のナイフケースを付けて覚えた技だ。途端にナイフが数多く飛んでゆき、ゴレムギライに突き刺さる。
「グリムゾン」
風梨が拳を叩き込んだ瞬間、ゴレムギライは塵になった。流石に風梨も疲れたらしく、壁に手をついた。
だが、その時。
[[ゴゴゴゴゴゴゴゴォォン!!!!]]
突然地響きが鳴りだした。それに併せてバラバラと崩れて行く。
「おい!!一か八かだ、此処に入れ!!」
風梨が指さした先には蒼い光。僕等はすぐさま飛び込んだ。
―――白く眩しい光に目を瞑る。
気づいた時、僕等は遺跡の外にいた。