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殺気。

「うわっ…と」

僕はひび割れている場所を渡った。渡りきった僕の視線の先では終が立っている。

「…大丈夫か?」

「うん。大丈夫だよ?」

あの後合流するための場所を探す事にした僕達は、階段を探している。歩くたびに石が当たったり、風がそよいできたり。

だけど、今一番気になるのは―――

<<グオオオオオッ!!>>

また聞こえてきた。それが聞こえるたびに地面が少し揺れ、魔物が逃げ出していくのだ。

だが、その時―――

「くっ!?」

終が突然右に動いた。僕も反射的に動いてそれに向き直る。ザワザワとざわめき、鳥肌が立つ。思わず身震いしそうなほどにひしひしと伝わって来る、殺気。


―――気づけば、周りを大量の魔物に囲まれていた。


終とピタリと背中を合わせる。その直後に、僕に向かって魔物が来た。即座に蓋を開けてナイフを出す。それを投げる。真っ直ぐに魔物に向かって刺さり、魔物は声をあげた。

それを合図に―――――全ての魔物が襲いかかって来たのだった。


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