急襲。
が。
「しっかし…暗いな」
探検を開始して早々、彼らは壁にぶち当たっていた。
なにしろ暗い上に、罠もかなりしかけてあって、灯りをつけようと大松をつけても道中の罠によって消えてしまう。
よくよく見たところ、大松を使うと何故か罠が感知して水を被る仕掛けだ。
おまけにクレイが封印の罠にかかってしまい、結局外の光を頼りにしなければならなくなったのだ。
その時。
「―――危ない!!」
その柊の声に驚いて振り向くと柊が片手に鴻貴を抱えていた。先程まで鴻貴がいた場所には彼の服のキレが舞っている。
「――ホプキンスル」
鴻貴がそう呟いた。
《ホプキンスル》
巷では弱い魔物として伝えられているがその爪はとても鋭く、硬い。
さらに一部の個体は仲間を呼び寄せたりするため、かなりめんどくさい。
――いきなり面倒な奴にあったな。
風梨はそう思った。息を大きく吸い込み、深呼吸をする。
「…やるか」
風梨はそう言うとホプキンスルに急接近し。その手首を掴んで壁に固定したすぐ後、反撃の前に拳を2、3発打ち込んだ。
ホプキンスルはそのまま、風梨が手を離した瞬間に倒れ伏した。