閑話5:ゆりかごの館(中編)
結局、様子見がてら討伐系の依頼をいくつか受けることになった。
3人で順調にこなしていく途中、か細い泣き声が聞こえた。
このような場所で泣き声なんて・・・。
考えられる可能性は何かの罠か、捨て子。
どちらにしても、原因を突き止める必要があった。
廃屋といえるような小屋を発見できたのは少し立ってからだった。
中を調べると、ただの廃屋に見えた小屋は、隠し通路を隠す門のような役割を持っているようだった。
・・・まあ、小屋を見つけたとき、必要以上に彼がびくついていたのはご愛嬌だ。
人間何かしら苦手なものがあるものだなあと、ミランダに噛みつかれている彼を微笑ましく見ていた。
隠し通路を抜けるとそこは大きな館だった。
調べていくと古びてはいるが調度もなかなかのものだし、盗まれた形跡もない。
大分長い間、いろいろなものから守られた館のようだ。
探索しながら2階へあがると彼はある部屋の前で難しい顔をしていた。
開けるべきか、開けないほうが良いか迷うような顔。
なぜそんな顔をしているのかわからず、私はその部屋の扉を開け、そして後悔した。
何十、何百という無数の子供も骸がその部屋を埋めていたからだ。
あるものは白骨化し、あるものは腐乱し、あるものは脂漏化していた。
私もミランダも、そして彼も、その光景を見て言葉がなかった。