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閑話5:ゆりかごの館(前編)
港町に戻り、今後の方針の検討をすることになった。
とりあえずは実力を蓄えること。これに尽力することになった。
今まで居たビナサ村とは比べ物にならない量の依頼が集まり、それだけに注意も必要になる。
見かけない植生の植物たち、それに対応する草食獣、肉食獣。
それに魔獣。
調べないといけないことが山積みだ。
ギルドに詰め、周辺の情報を調べることにした。
彼もそれなりに知識があるのか、本を読むことができ手分けすることができたのは僥倖だった。
ギルドの入り口で綺麗な少女にぶつかっていたが、その時少しうれしそうな顔をしたのは内緒なのだろう。
年相応に見え、ほほえましく思えた。
その少女が望むものは「精霊の秘薬」めったに市場に出回らない高価な薬だ。
普通なら手に入るものではない、が、彼なら手に入れてしまうような気がした。
心の片隅に覚えておこう。