閑話4:神の祝福(後編)
やっと完了。普通なら一話の分量なんだけど・・・。すみません
ウェスタが見えるころになり、私達は山賊に遭遇した。
十分気力も体力も保っていたため、楽な戦闘の部類に入っていたと思う。
彼も、いつものように鋭い身のこなしで幾人かを屠っていた。
あくまで平静な顔で、人を斬る。
彼くらいの年齢なら、隠していても少し躊躇するだろう。
彼は今までの人生でどのような経験をつんできたのだろうか。
ウェスタに着き、商人や警護から、残りの山賊退治を依頼されたのも当然の帰結だったと思う。
商人は私たちの戦闘を見ながら逃げたのだから、実力は理解している。
山賊退治はできるだけ速やかに行わなければ、逃げる。
だから、できるだけ腕の立つ人間を多く集めるのは必須だ。
彼は快く、協力する旨を伝え、準備した。
そこで、また私は驚くことになった。
私たちのチームは後方支援に回ることになったが、彼の武器は基本的に剣だ。
周囲の警戒をしてもらえばいいだろうと考えていたが、彼は神聖魔法も使えたのだ。
祝福。神官ですら、使える者の少ない魔法。
助け出された者たちに対しても回復魔法を惜しまず使う。しかも、こちらも複数に対する魔法だ。
彼の能力の引き出しには、どれだけのものが詰まっているのだろうか。
感嘆とともに、私はため息を吐き出した。