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閑話3:現実での中毒性
さて、用事を片付けよう。
「何してるの?」
ひょいとドアの隙間から妹が顔をのぞかせる。
「何って・・・」
「だってさっきっから、携帯見たまま固まってたよ~。何かショックなメールでも来た?」
ちょっと心配そうな、面白がってもいるような微妙な表情で妹は問いかける。
「いや、別に。アプリの設定していただけだよ。」
手で携帯をいじりながら返事をする。
「あ、それ、今回の最新のだね。最近それ使っている人多いよね~。」
携帯を見て妹が考えている。
「今、機種変更それだと0円だっけ?私も変えちゃおうかなあ。」
妹の声が聞こえるが、意味は頭に入ってこない。
早く用事を終わらせて、続きをしたい。
やっとチュートリアルが終わったんだから、ストーリーを見てみたい。
面白かったらそれで良いし、面白くないならないで、まれに見る糞ゲーであってほしい。
いや、それじゃあちょっとマニアックすぎるか?
「携帯、機種変更したら、面白そうなアプリあったら教えてね~。」
妹の声に反射でわかったと答えながら外へ行く準備をし、1階に降りていった。