表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリップ・アプリ  作者:
極彩色の宴
138/143

35-2.白の花

足元へと白い花が迫ってきます。

ひそやかな鈴のような音、笑い声のようなささやき声。

そんな音が聞こえる。


まるで祝福するように。


白い花が寄り集まり、目の前で大きな蕾を作りました。

ゆっくり大きな花弁が開き、大きな花が身体を覆い隠してきました。

自分は何も出来ず、何も考えず、ただ、自分を覆いつくそうとするその花を見ていました。


花の向こうに見える二人のヒトのうち、

黒いヒトは再び目を閉じ、白いヒトはゆっくり立ち上がろうとしています。


白い人が手に持った大きな丸い、透明な水晶のような珠は、ほのかな光を宿しています。

それを高々と掲げると、強い光が辺りを包みました。


意識が途切れるその時、白いヒトはきれいに笑い、手を振りました。


思い出すのは白い光と透けるほど薄い花弁、そしてきれいなあの白いヒト。



次に気づいたのは、最初に降り立った、あの森でした。

幸いなことに、装備は赤い塔に登ったときのままでした。

そして。

今の()の記憶は、最初にこの森に来たときから始まっています。


どこからか来た記憶はあるのに、どこだかわかりません。

時々帰った記憶はあるのに、方法はわかりません。

けれど。


今の自分には一緒に過ごす仲間がいる、かけがえのない仲間が。

そしていずれ、この地に根を下ろし、すごしていくのだろうなと、そんな予感がします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ