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22.赤い水晶と赤い部屋
見つけたもの。それは小さな水晶の赤いハート。
これを探していた、けれど、これを触ってはいけない。
頭の中で警鐘が響く。
手が動く、自分の思う通りに動かないで、ハートに手が伸びる。
ダメだ、触ったらだめだ。なんで?
手に取り確認する。これで5個目。
小さなシンボル達。
これで次に行けるだろう。
さっき、自分は、何を、考えていた?
頭を軽く振り、邪魔な考えを消す。
とりあえず今は先に進むこと、皆に合流することを第一にしよう。
自分の手の中の自分と一緒に育っていく相棒である剣に目をやる。
逆の手にはまっている、心強い味方である色々な知識の詰まった腕輪に目をやる。
さあ、行こう。
また歪んだ部屋の、大きな扉に戻り、赤いハートを扉にかざす。
今度はすんなりと開き、目の前に赤で埋め尽くされた部屋が現れた。