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靴一足分のタイムスリップ

作者: 花守ぽん
掲載日:2026/04/04

自分が元々ちょっと不思議な話が好きなせいかもしれないけど(怖いのは別)最近よくテレビで特集組まれてるタイムスリップの話をよく観る。

秋津や下北沢がよく取り上げられてるけど、タイムスリップに遭遇する時はどうやら霧や靄の出現があるらしい。


ちょっと怖い……。


でもま、100%元の世界に戻れる保証があるのならその霧や靄に遭遇してみたい気もするけど。というか、戻ってきてるから番組で体験談として話してるのだから、タイムスリップは帰れないことはなくもないってことなのかな?たぶんそうだよね?


ま、それはどうでもいいけど(ホントはどうでもよくない。けど、私の脳みそでは理解できないから今は棚のうんと上に置いておく)

で、時々私は考える。

本当にタイムスリップする時は霧や靄の発生が合図のように沸き起こるのか?


もしかしたら、そんな合図もなく気づかぬうちにタイムスリップしてるなんてことは、ない?


たとえば、いつもの道をいつものように歩いてる時。

向こうからスマホに夢中で歩いてくる人がいたとする。


画面の中の地図に必死で、どうやら私の姿は視界に入っていないらしい。


ぶつかったら大変!!

そう思って、私は少しだけ道を譲る。


半歩。わずか、靴1足分の幅。


普段なら絶対に踏み込まない、その「わずかな隙間」こそが、もしも異空間への入り口だったとしたら!?


―――そう! まさにこの瞬間、私はタイムスリップしたのだ!!!!


……といっても、霧が出るわけでも、怪しげな靄に包まれるわけでもない。


そんな大げさな合図なんて、一切ない。


私はただ、何事もなかったかのように歩き続ける。

スマホ歩きの人を避けて、いつもの道を、いつものように。


ところが、その帰り道。


ふと視界に入ってきたのは見慣れた自販機。

今では自販機の飲み物も値上げの波に飲まれて高い高い。だから買う機会もあまりなくなったけど、でも、なんだか違和感を感じた。何だろう?


歩くスピードを少しゆるめて、視線だけを自販機に向ける。

何だろう?

そう思った時に気づいた。いつも売り切れになってるカフェオレが今日は販売のランプになってた。


―――ぶはっ!それだけのことだったかw


人の感じる違和感なんてけっこうそんなものかもしれない。

すれ違う人がいなければ私はきっと絵文字のように「やれやれ」と肩をすくめたかもしれない。


でも、少し歩いたところでまた違和感を感じる。

ゴミ置き場に片づけられてるカラス避けのゴミネットが見えてきて、それが妙に気になった。

なんだろう?

自販機の時に感じたのと同じ違和感。

何か違う?

そう思いながらその横を通り過ぎた時に気づいた。


あのネット、緑色だったっけ?

青じゃなかったっけ?


……まぁ、いい。

たぶん破れたとか汚れたとかで取り替えてくれたのだろう。たぶんそう……。



つまり、私が想像するタイムスリップは、じつはホントに何気ないタイミングで踏み込んでしまう空間なのではないかと。

だから、ちょっとした変化を動物的勘で察知してはいても、あまりにも小さな変化ゆえに「気のせいか…」で済ませてしまってるとか。

だって、考えてみて。

わずか半歩のずれ。靴一足分の幅。

その程度の小さなゆがみだもの。変化だって気のせいか?で済むようなものだけ。


たとえば、こんな不思議な現象もじつはタイムスリップかもしれない。


―――家の中。

いつもの定位置でくつろいでる時にテーブルの上から物が落ちた。

転がる瞬間を目で追うけど一瞬見逃す。すると、本来ならこっちに行ったはずの落ちた物が見つからない。こっちに転がったよね?と記憶をたどる。けど、見つからない。


探し物は探してる時は見つからないものだという言葉を思い出して、ま、いっか…と思ったその時に視線の端に転がった物が見えた!


なんでそこ!?ねえ、なんでそっちに行ったの!?


……ふむ。


落ちたそれを拾い上げ、私はしばしそいつを見つめ、そして実験開始。

わざと落としてみる。


ポトン。


……真下に落ちた。


重力は仕事をしている。

物理法則は、何一つ間違っていない。


「ま、そうだよね……」と拾い上げながらも、イマイチ納得してない自分がいるのもたしか。


つまり、こういう現象もじつはタイムスリップなのではないだろうかっ!



行ったことのない場所なのに来たことがあるような感覚。

初めて会った人なのに、どこかで会ったような気がする初対面の人。

食べた記憶はないのに、なぜかその料理の味を知ってるような気がする不思議。


それはもしかしたら全部、どこかで気づかないうちに半歩避けた瞬間、靴一足分のすき間に足を踏み入れてしまったことが原因かもしれない、なんて考えたらちょっと楽しくないですかね?

え?楽しくはない?怖い?

いや、大丈夫!

多くの体験者がいるということはみんな無事に帰ってきてる証拠だから、きっと大丈夫!


―――もしも…。

誰かのために半歩譲ったその先で、「あれ?…」と首を傾げることに遭遇したら、ぜひ体験談を聞かせてください。

たとえば、こんな「あまりに地味すぎて誰にも信じてもらえない」ような報告でいいんです。


「ハンバーガーは値段も同じだし、味も同じだったけどピクルスが入ってなかったよ!異次元の店に入ったのかもしれない!」


……おお!でもそれはお店の入れ忘れかもしれませんけどね(笑)


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