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24/28

24:BBQ

後日アマンダさんは姪っ子さんともう1人の新寮母さんに任せて寮母を辞め、領主館へと出向いてくれる事になった。

勿論私からの紹介と言う事でギルドを通して侯爵夫妻に面接をして貰った。

アマンダさん、実は昔城で侍女勤めをしていたそうで侯爵夫人とはその時の侍女仲間だったなんて事も解かって驚いてしまった。

侯爵夫人の太鼓判もあってすんなりと話しは纏まった訳だ。

アマンダさんが侍女長となって他の侍女やメイドなんかもビシバシとしごいてくれるだろう。

ちなみにアマンダさんも元は侯爵家の産まれで一般人の御主人と結婚したのだとか。

なるほどね、だから所作なんかも綺麗だったのか。

ともかくこれで椿ちゃんの方は安心出来るだろう。


私の方はそろそろ皿洗いのバイトを見つけないとマズイかもしれない。

チップさんが領主となってから、税が少し安くなったと言うか普通に戻ったらしい。

今まで二重取りされてたらしいんだよ、そりゃ生活もキツイだろうよ・・・

その為皆少しだけ生活に余裕も持てる様になってお店に来てくれる人が増えたのだ。

毎度売り切れ完売ごめんなさいと断る数も増えて行き、もう少し作る数を増やそうかと考えている。

となれば皿も足りなくなる訳で皿洗いのバイトが欲しいんだよね。

とは言え誰でもいい訳ではなく信頼できる人じゃないとなぁ。


「ならば俺が皿洗いとして入ろうか」

「リコさんが? いやいや町長の仕事と兵士団の仕事があるでしょ」

「兵士団の方はまぁ俺が居なくてもなんとかなるだろ。

 町長の仕事だってそこまでは忙しくないしな。

 昼時の数時間くらいは手伝えるぞ」


聞けばリコさんもスカイラーさんも年齢的にもそろそろ引退を考えてもいい頃合いなのだそうだ。

まぁ肉体労働だし神経も使うんだろうしきつい仕事ではあるよな。


「確かにリコさんなら信頼も出来るし安心だし助かるけども。

 あんまり高いお給料は払えないよ?」

「給金はいらん。代わりに賄いで昼と晩飯を・・・」


昼はともかく、夜は頻繁に食べに来ているから今と変わらないような気もする。

家も隣だし? 気心知れてるし? あれもしかして好条件かも。


「だったらさ、ついでに朝昼晩と3食でどうだろう」

「朝まで大変じゃないか?」

「そこまで大変でもないかも。デイルくんは時々食べに来てるし」

「なんだと・・・」


あれ、もしかして内緒だったんだろうか。ハハハ・・・



結局はリコさん、スカイラーさん、デイルくんの3名共月末で仕事を辞める事に決まった。

リコさんとスカイラーさんは年齢的な事もあると聞いているので解るとして、何故にデイルくんまで。


「僕だけ残ったらそのまま隊長をやらされるじゃないですか!

 今でさえ、町長の仕事の補佐的な事までしてるのに・・・」

「え?そんな事までやってたの?」

「仕方ないだろ、俺の字だと汚くて読みにくいと言うんだから」

「そこまでなの?」

「ほら、これ・・・」

「 ・・・ 」


読めなくは無いけど、公的文書にとなればちょっとアレかも?

デイルくんはリコさんの秘書と言う名目でサポートに廻る事になったらしい。


「という訳で皿洗いにも僕が来ますから」 ニッコリ

「そうなんだ、よろしくねデイルくん」

「俺が言い出したのに・・・」

「その分しっかりと仕事してくださいね」

「うぐっ・・・」


どうやらリコさんが言うほど仕事量が少ないという訳でもないらしい。

つまりデイルくんのサポートが上手いからそう感じていただけなのだろう。


兵士団の方は大丈夫なのかと少し心配だったが、新隊長にはデイルくんの同期で常連でもある子がなるそうだ。

細身なのに大食いの子で割と几帳面な性格だった気がする。

仲間の兵士達とも仲が良かったし、きっとうまくやっていけるだろう。



そうと決まれば席数も少し増やしたい。

とは言え改装はメンドイのでテラス席みたいな感じにしようかな。

いや待てよ、雨の日だと使えないじゃん。

やっぱり改装するか・・・

そう考えてしばらくは改装の為休業すると常連さん達に伝えれば、皆こぞって手伝いを申し出てくれた。

毎度ながら非常にありがたい。

お礼は賄いランチで良いと言うのでそうさせて貰おうと思う。


今までL字型だったカウンター席はコの字型にして席数を3増やし、4人掛けのテーブル席を1つ増やすつもりなのでそこまで大掛かりな改装にはならないと思う。

今よりも7席増えて計21席となる。

私的にはこれが上限かなと思っている。

たかが7席されど7席、私には大きな進歩だ。

用意する分量も今までの50食分から70食へと増やす予定だ。

キリよく100?とも思ったけどそうなると竃や大鍋なんかも変える必要が出てくるし、別に店がうちしかないと言う訳でも無いからね。

他のお店にも客足が向いて貰わないと困るのよ、逆恨みされたくないし。

それにね牛丼やカツ丼なんかの簡単な物はまだしも、天丼とか中華丼とかになって来ると私の鼻と腕がやられそうだもの・・・

なんでだろうね、カツをあげるのは平気なのに天ぷらとなると油の匂いが気になるのって・・・



そして10日で改装は終わった。

終わったけども・・・

お昼寝用の犬小屋っぽい物が出来たのはまだいい。

だけどなんでリコさん達の家とうちの間に渡り廊下が付いたのかな?

これ必要ある? いらなくない?


「雨の日もこれがありゃ便利だろ」

「オカンはまだ経験してないだろうが嵐が来た時なんざ有った方がいいって」

「そうそう、夜間の移動だってこの方が安心だ」

「確かに悪天候の時はいいかも・・・」


そっか、確かに風雨を避けれるような作りになっているから雨の日や強風の日とか安心出来る。

夜間の移動・・・はまぁする事もあるのかもしれない。

緊急時にいちいち外から廻って来るよりはいいのか・・・


皆の気遣いと働きに感謝してその夜はBBQを開催した。

勿論ご近所さんやいつもの常連さん達も誘ってある。


「皆いつもありがとう、いっぱい食べてね!」

「領主様から差し入れでエールが届いているぞ」

「うちのかあちゃんからはケーキだ」


カフェ・ペンギンからも「子供用に」と差し入れが届いている。

可愛らしいクマを模ったパンケーキだ。これも人気でそうだな。

案の定、子供達は大喜びだ。

肉も食べてパンケーキも食べて・・・よくそんなに入るね、そのちっこい体に。


ちなみにこのBBQに使った肉はデイルくんが獲って来たものだ。

「ちょっと仕留めてきました」なんて爽やかに言うのに泥だらけの姿なんだよ。

「ちょっとスーパーに行ってきました」みたいなノリで狩猟(魔物狩り)行くのはどうなの・・・

美味しいから嬉しいんだけども私には狩猟とか無理だと思う。


『 我らがいれば大丈夫だろ 』

『 必要ならいつでも連れていくが 』

『 いい場所知ってる 』

「 ・・・ 」


確かにハティ達が居れば行けるだろうけど、魔物とか見た事ないからね?

肉片になって売られてるのしか知らないからね?


こうして皆で楽しくBBQを楽しんだ結果、翌日はまたしても皆二日酔いなのであった。

懲りない面々達である・・・

読んで下さりありがとうございます。

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