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13/15

13:再会

前回の事を踏まえて、マグロの山かけ丼は多目の山葵をトロロに混ぜ込んでおいた。

私だと味見の段階でツーンと涙目になってしまった。

本当に大丈夫かこれと思ったものの、山葵のみのお代わりを欲する常連達だしな。


「このツンと鼻に抜ける辛さが癖になる」

「これこれ、この刺激がいいんだ」


うっすら涙を浮かべながら食べてるし・・・

美味しく食べてくれるならいいけどさ、ほどほどにね?

この日もありがたく完売だった。



玉葱メインにするか、牛蒡メインにするか、はたまた人参メインにするか。

うちの母は玉葱メインだったが私は牛蒡メインにするのが好きだ。

悩んだあげく結局は2種類作る事にした。

玉葱と人参のミックスと牛蒡と人参のミックスだ。

他には小エビと三つ葉をませ込めばいいだろう。


下準備を終わらせて一息ついているとバンッと激しくドアが開かれた。


(随分と乱暴な・・・)


ドアの方を見れば、そこに立っていたのは椿ちゃんと桜ちゃんだった。


「ほ、ほんとうに菊乃さんだぁ・・・」

「ぅわぁぁ、無事で良かったよぉ」

「え? あれ? 2人共なんでここに?取り敢えず中に入っておいで」


2人に時間はあるのか聞いてみればあると言うので、奥の部屋でかき揚げ丼を食べて待っていて貰う事にした。

2人共日本食だ、かき揚げだと喜んでいた。

何かあったんだろうか、気になるけどまずは営業開始しないとだ。


やはりかき揚げ丼も大好評だった。


「おかん、天丼でもかき揚げ丼でもいいからもう少し頻繁に食べたい」

「作る方としてはな、暑いからたまにで勘弁してくれ・・・」


そう、熱した油の前でひたすらかき揚げを作っていると暑いし油の匂いで胸やけするしで大変なんだよ。

体中油臭くなるしさ・・・

天ぷらは美味しいし好きなんだけどね。 紅ショウガの天ぷらとか好きだったな。

さすがと言うべきか、13:00には完売した。

リコさんもスカイラーさんも間に合わず。


「嘘だろ・・・」

「完売するのが早すぎだろう・・・」

「丁度いいや、2人にはちょっと相談があるんだ」

「「 相談とは? 」」


店を閉めるまで待っていて貰いあの2人の事を相談する事にした。

リコさんとスカイラーさんには相談料の代わりにチャーハンを作る事にして、店を閉めた。


チャーハンを食べながら話を聞いてもらう。

さすが兵士団隊長と騎士団団長、椿ちゃん達の事は知っていたようだった。


「それで?よく此処が解ったね。と言うかよく城から出られたね」

「うん、それなんだけどね」

「あの禿おやじったらムカつくんだよ!

 菊乃さんが勝手に出ていったとか言ってさぁ」

「そんな事絶対にありえないからって、詰め寄ったのよ。

 そしたらさ、王子の妃候補にならないから追い出したって」

「は?! 待って? 妃候補ってなに?」

「なんか後継者争い?お家騒動?

 聖女を妃に迎えれば他の候補者より優位に立てるから召喚したんだって」

「待て待て待て、意味が解らん・・・」

「でしょう?私達も は? ってなっちゃってね」

「見も知らない王子と結婚したくもないしでさぁ。

 だったら他の候補者に相談しちゃおうって事になってね」

「たまたま遭遇して相談した相手が第一王女と第三王女でね。

 今はその2人のお母さん、王妃様に保護して貰ってるんだぁ」

「お、おぉぅ・・・ 無事ならよかったよ。

 ご飯とかは大丈夫?ちゃんと食べて眠れてる?」

「うん、ずっと菊乃さんの事が気になってたんだけど

 大っぴらに探すのもマズイかなと思ってたら

 チップさんが教えてくれたのよね」

「あれ?チップさんと知り合い?」

「え、えへへへ・・・」


なんと椿ちゃんはこっそりお城を抜け出して私を探そうとした事が何度もあったらしく(結構むちゃするね・・・)

その度にチップさんが見つけて説得していたようで、よくよく話をしてみれば・・・みたいな感じだったらしい。

しかも!なんと椿ちゃんはチップさんと交際を始めたらしい。

チップさんから私の事を聞いた椿ちゃん達が王妃様に相談したところ、お忍びでの外出を許可してくれたのだとか。

護衛にはチップさんともう1人ついているらしく、離れた場所で見守っているのだとかで。

うわぁ・・・マジか。チップさんごめん。よりにもよって今日かき揚げ丼だったよ。

匂いだけ漂ってるって拷問だったよね、凄く食べたいって言ってたもんね・・・


「時々なら遊びに来れるし、ちゃんと後継者が決まったら

 私達も自由になれるよう考えてくれるって言ってたから」

「それまではお城で色々な事勉強しておきなさいって王妃様がいってくれたの」

「そかそか、元気だったならなによりだよ。王妃様には感謝だね」

「うん!でね、今度は王妃様と王女様も一緒にいいかな?」

「ぶっ、警備面で色々と駄目だと思うんだけど」

「いや、私とリコが護衛として付けば大丈夫だろう」

「えぇぇ、大丈夫なの?」

「キクノには悪いが定休日にして貰えば・・・」

「なるほど・・・」


今後はチップさん経由で手紙のやり取りが可能となり、2人が遊びに来る時は定休日となった。

詳しくは手紙で相談する事になると思う。

それにしても後継者争いで優位に立ちたくて聖女を召喚して結婚しようとしたとか・・・

馬鹿臭いとしか言いようがない。

椿ちゃん達いわく聖女を召喚して王子と結婚なんてのもよくあるパターンらしいのだけど、それは魔王討伐だの魔物退治だのの後らしく・・・

しかも双方好意を持って居るかららしいんだよ。

為人もしらないうちから嫁にするとか勝手に決めるなと2人も呆れていたっけな。

リコさんやスカイラーさんなんかも頭を抱えていたし・・・

まぁそりゃそうだろうね、聖女と結婚したら優位に立てるとか考える時点で頭空っぽな気がするもんよ。

出来る事ならマトモであろう他の候補者に頑張って頂きたいものだ。



その日の夜から私は熱を出し寝込む事になった。

椿ちゃん達と再会出来て、2人の無事を確認出来た安心感や久々の長期休暇だからと気が緩んだのかもしれない。

丸2日寝込んでしまい、その間はリコさんとデイルくんが交代で看病してくれたようだった。

常連さん達からもたくさんお見舞いを頂いてしまった。申し訳ない。

熱が下がっても次の日まで大人しく寝ているように言われ、デイルくんから聞かされた話に私は吹く事になる。


「キクノさん、いったいどんな夢見てたんです?

 なんか禿ジジィがどうこう言ってましたが?」

「ぐはっ、そんな事いってたの?・・・」


なんとなく、モルソンの胸倉掴んで怒鳴っている夢を見た気がしなくはないけど・・・

キノセイキノセイ。


「体調が戻ったら少し祭りを見に行ってみたいな」


話を逸らすべくそう言ってみる。


「でしたら祭りの最終日でよければ僕休み取ってるんで行きますか?」

「休み取ってるなら用事があるんじゃないの?」

「その用事がキクノさんを祭りに誘う事でしたので」

「あ、そうなんだ。ありがとう」


なんでも私だって祭りを覗いてみたいだろうと兵士団の皆で話し合ってくれたそうだ。

誰が一緒に行くかは希望者が多かったのでくじ引きで決めたらしい。

気を遣ってくれて有難い事だと思う。

読んで下さりありがとうございます。

明日明後日の更新はリアル事情でお休みします。

また月曜から再開します、すみません(;´Д`)

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