他人とは違う
「なんだと思う?」
えー、他人と違うところ…
なんだろ...。
こう、魔法が使えるーとか、死なないーとか?
「まあ、大体合ってる。
1つめは、私は人と比べ物にならないほど寿命が長いこと。
だから、周りで過ごしてた人がどんどん成長しては年老いていくのに、私だけは時が止まったように姿が変わらなかった。
最初は私も、ただ他の人よりは健康で、お肌がぴちぴちなだけだと思ってたんだけどね。」
なるほど...
「だから最初は、皆んな気味悪がったよ。
そのうち、こいつは人間じゃねえとか、悪魔の末裔だとか言って騒ぎ出した。まあそんな時はその村から立ち去るしかなかったけどね。
300歳くらいの時は、私を神だと崇める集団もできる始末でさ。あれは振り切るのが大変だったなぁー。
そうして私は、500年くらいさまざまな場所を転々としたんだよ。」
じゃあ自分ではどう思ったの?寿命が長いことに関して。
「うーん。特にこう悲しいとか、かといって嬉しいとかもなかったなー。
受け入れるしかないし。そういうもんだってね。
2つめは、さっきつみれが言ってた、魔法が使えるってこと。
これはそこまで大変じゃなかったよ。
魔法は使わなきゃバレないし、使っても相手には理解できない場合が多いからね。
そもそも、魔法の能力が発現したのが100歳くらいだし。
魔法はコントロールが簡単だから、たいした問題はなかったなー。
まあ、さっき言った信仰集団ができた理由って、魔法がバレたことなんだけどね。あれはしくじったなー。
かなりの時間を取られたよ。」
でも魔法で記憶を無くすこととかできそうだけど…?
「いやーそれがね、その魔法だけ扱えなかったんだよ。
私の憶測なんだけど、どんな魔法でも、過去を変えることはできないんだと思う。
私も試してみたんだけどね。どうしても過去は変えられないし、過去を変えることから派生してる記憶の改ざんの魔法も、使うことはできなかった。
だから、その場から立ち去るしか手がなかったんだよ。
物理的に距離を置くっていう感じ…?」
じゃあじゃあ、例えばどんな魔法が使えるの?!
「色々あるけど、
ひとつは自然系の魔法。
これは火、水、風の3種類があるの。
火は光・炎が出せて、水は飲用水から氷までさまざま、風はあんまし使い道ないかな。
まあ考え方としては、3つの大きな括りから色々と派生していく感じだね。応用を効かせればいくらでも形は変わる。
もうひとつは自然以外。
これはもう、範囲が広すぎる。物を動かす魔法、テレポート、相手の思想を読むなどなど。
今の時代では、一般的に超能力って言われるやつっぽいかな。
どっちの魔法も、本来は呪文の詠唱とか必要らしいけど、私はやったことないね。」
ハンナってドヤ顔するタイプの人間なんだ...
じゃなくて悪魔?妖精?
ってかそうじゃん。結局何に分類されるの?。ハンナっていう存在は。
「えー何に分類されるって言っても…
半人類?
でいいんじゃない?
もうめんどくさいよ。
そういう「分類」っていうの?いちいち他と分ける習性。」
まあたしかに…1000年も生きていればどうでもいか。
で、今はどうなの?まだ追われてるとか?
「あー。今は暇。
かれこれ50年くらいは追っ手は来てないかな。
どこかで本を落としたから、それを探す旅をダラダラとやっているんだけどね。
そういや、すみれの心は最初にここに来た時から読めないんだよね。
なんでだろ。」




