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ソレムニス  作者: 由羽
8/10

「天地創造」

Die Schöpfung --Franz Joseph Haydn

創造の前には、厳粛な儀式が執り行われなければならない。


久しくなかったが、いま、人間のいない時代が、再び到来しようとしている。

厳密には、ただひとりを除いて。


地平から天へ垂直に伸びる光明は、明烏あけがらすの到来とともに、眠れる神々を呼び覚ましていく。


「来たれ!!!」


人の子が叫ぶ。十歳前後の、男とも女とも定かでならぬ者が。


かつて、海原に墜落せし、神が顕現された。

海原に浮かぶ人間の形跡は、立ちどころに消失していく。

祝福の声が、空間を満たしていく。


「来たれ!!!」


かつて、天空において姿を消した、神が顕現された。

空を侵す人間の形跡は、立ちどころに消失していく。

祝福の声が、空間を満たしていく。


「来たれ!!!」


かつて、地に果てた、神が顕現された。

これがもっとも、重い使命を担いし神である。

地の神は、蓄積した怒りを一つの点にまとめ、目下の鉄に置かれた。

すると、立ちどころに、文明の痕跡が、消失していく。

いよいよ、祝福の声は、空間を満たしていく。


海の神、天の神、地の神が、人の子の前に並ばれた。


「私はね、神に近くあった人間を、幾人か知っている」


地の神が言われた。


「だから、君を消したりはしない。その幾人かの人間たちに、感謝すべきだ」


天の神が、人の子に触れた。


「永劫、年を取らぬまじないだ」


人の子は、祝福を表情にあらわした。


儀式が、始まろうとしている。

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