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1-6.婚約破棄、そして…

「…ふん、馬鹿馬鹿しい。聞くまでもなく答えは――」


「私でよろしければ」


鼻で笑うクラウスの言葉を遮るように、フィオナがはっきりと声を上げる。


「喜んでお受けいたします。エリオス様」


フィオナがエリオスの手を取り、微笑んだ。


固唾を吞んで見守っていた会場が、ワッと興奮に包まれる。


クラウスが呆然と瞠目し、エリオスは――


「――ありがとう…!」


フィオナの手をしっかりと握り、弾けるような笑顔を見せる。


見たこともないエリオスの表情に、フィオナの心臓が大きく高鳴った。


「そういうわけで陛下、我々はこれで失礼いたします。ああ、正式な婚約手続きは、後日改めて」


「うむ」


さすがは一国の王。この会場でただ一人、泰然と腰掛けている。


「さ、行こうか」


「は、はい…!」


エリオスの優しい声と眼差しに、フィオナはどぎまぎしながらも、やっとの思いで頷く。


そしてフィオナは、エリオスに颯爽とエスコートされ、会場を後にしたのであった。


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